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後美術論

椹木野衣

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784568202663
ISBN 10 : 4568202663
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2015
Japan

Content Description

それは、「音楽と美術の結婚」から始まる。稀代の美術批評家が、3.11をまたいで書き継いだ大著、ついに刊行!

後美術(ごびじゅつ)とは?
美術や音楽といった既成のジャンルの破壊を行うことで、ジャンルが産み落とされる前の起源の混沌から、新しい芸術の批評を探り当てる試み。例えば、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの活動を同じ「後美術(アート)」と呼ぶこと。ポピュラー音楽と前衛美術の枠組みが外されて、二人のアーティストとなったジョンとヨーコによる「音楽と美術の結婚」——。このジャンルを溶解させる婚姻から授かる創造の地平が「後美術」である。

【目次】
第1章 音楽と美術の結婚
 美術・アート・ART
 オノ・ヨーコとの奇妙なゲーム
 半分ずつのふたりがなすひとつ
 イマジンとグレープフルーツ

第2章 新スロヴェニア芸術と動物園(ズー)TV
 崩壊直前のソ連を訪ねて
 ライバッハの侵攻
 U2の「ZOO TV」とベルリン
 ふたつのサラエヴォ

第3章 スローターハウスの聖母(マドンナ)たち(前編)
 ヘルマン・ニッチュの城を訪ねて
 ユングと聖母マリア
 『ナグ・ハマディ写本』の発見
 グノーシス主義とユング
 ウル・ミュトスの帰還
 化け物たちの出番

第4章 スローターハウスの聖母(マドンナ)たち(後編)
 ハウス・ミュージックの熱
 黒人のように歌える白人
 シェーカーとロックン・ロール
 メイプルソープとパティ・スミス
 メイプルソープと写真
 蒐集家サム・ワグスタッフ
 21世紀の揺さぶり(シェイク)へ

第5章 残虐行為の展覧会
 デレク・ジャーマンの庭
 スロッビング・グリッスルとSPK
 バラードとシュルレアリスム
 バラードとポップアートの出会い
 残虐行為展覧会

第6章 次は溶解だ(メルト・ダウン・イズ・ネクスト)(前編)
 ノー・ウェイヴのニューヨーク
 ノー・ウェイヴの響き
 ロンドンのパンク・ロック  
 マルコム・マクラーレン
 スペクタクルとシチュエーション
 レトリスムとツァラ

第7章 次は溶解だ(メルト・ダウン・イズ・ネクスト)(中編)
 ウッドマンのセルフ・ポートレイト
 死の女王リディア・ランチ
 ヴォイナロヴィッチのカメラ
 キングス・ロードの「SEX」

第8章 次は溶解だ(メルト・ダウン・イズ・ネクスト)(後編)
 悪のスペクタクル
 革命を目指したアーティスト、マルコム
 ソニック・ユースの「ダーティ」
 クリスチャン・マークレーの「プレイ」

第9章 地獄と髑髏(ヘルター・スケルター)(前編)
 ロサンジェルスの脱美術
 ヘルター・スケルターの惨劇
 ファミリーと悪魔主義
 ビーチ・ボーイズとマンソンの影

第10章 地獄と髑髏(ヘルター・スケルター)(中編)
 「ホワイト・アルバム」と「レヴォリューション9」
 足立正生・赤瀬川原平・中平卓馬
 ヘルター・スケルター計画 

第11章 地獄と髑髏(ヘルター・スケルター)(後編)
 LSD25とサイケデリック革命
 ティモシー・リアリーがつなぐ線
 黒人のブルース
 悪魔との契約から生まれる音楽
 ジャズの誕生と公民権運動


第12章 「歌う彫刻」と「人間(マン)=機械(マシーン)」(前編)
 「人間(マン)=機械(マシーン)」による音楽
 デュッセルドルフの日本人(サラリーマン)
 「歌う彫刻(シンギング・スカルプチャー)」の系譜

第13章「歌う彫刻」と「人間(マン)=機械(マシーン)」(中編)
 フクシマ以後の「放射能(ラジオ・アクティヴィティ)」
 「ラジオの力」と「アウトバーン」

第14章 「歌う彫刻」と「人間(マン)=機械(マシーン)」(後編)
 「原発」という未来のミュージアム
 クラフトワークとエコロジー
 ウォーホルとソラナス


(出版社からのコメント)
それは、「音楽と美術の結婚」から始まる。稀代の美術批評家が、3.11をまたいで書き継いだ大著、ついに刊行! 『美術手帖』2010年11月号から連載された「後美術論」全14回を収録。

(著者について)
椹木野衣(さわらぎ・のい)
美術批評家。1962年秩父市生まれ。著書に『日本・現代・美術』(新潮社、1998年)、『シミュレーショニズム』(増補版・ちくま学芸文庫、2001年)、『「爆心地」の芸術』(晶文社、2002年)、『黒い太陽と赤いカニ−−岡本太郎の日本』(中央公論新社、2003年)、『戦争と万博』(美術出版社、2005 年)、『美術になにが起こったか』(国書刊行会、2006年)、『なんにもないところから芸術がはじまる』(新潮社、2007 年)、『反アート入門』(幻冬舎、2010年)、『新版 平坦な戦場でぼくらが生き延びること 岡崎京子論』(イースト・プレス、2012 年)など。手がけた展覧会に「アノーマリー」展(レントゲン藝術研究所、1992年)、「日本ゼロ年」展(水戸芸術館、1999−2000年)、「太郎のなかの見知らぬ太郎へ」展(岡本太郎記念館、2006年)、「未来の体温 after AZUMAYA」展(ARATANIURANO/山本現代、2013年)など。現在、多摩美術大学教授。

【著者紹介】
椹木野衣 : 美術批評家。1962年秩父市生まれ。現在、多摩美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 🍕

    美術とコンテンツ批評の境域を撹乱しながらも単なるカルチャー論に溶解しない一貫性があったのがよかった

  • yu-onore

    Perfumeを媒介にクラフトワークとギルバート&ジョージを繋いでいくのめちゃくちゃ面白いな。恐らくその延長にいる存在として、電気やケミカル・ブラザーズを想定できそう。 てか、むしろ電気の、特に初期に露骨な悪趣味さこそがまさに、人間機械を打ち出したクラフトワーク的テクノとギルバート&ジョージの露悪的パンク精神をこめた「彫刻」作品の折衷だといえるのではないだろうか。

  • あんすこむたん

    現在のアートを音楽や写真から様々な分野を網羅しながらも独特な目線で語られる。J・G・バラードなどアートというイメージがない人物(SF作家としては有名でも)までもきちんと入れた上でまとめられていて、知識が増えた。

  • 保山ひャン

    美術ではなく、ARTでもない、「アート」。旧来美術の範疇で扱われてこなかった音楽やパフォーマンス、はたまた写真を題材に、そこで起こっているジャンルの破壊を考える。オノ・ヨーコ、ライバッハ、U2、メイプルソープ、スロッビング・グリッスル、バラード、ノーウェイブ、マルコム・マクラーレン、ウッドマン、リディア・ランチ、ヴォイナロヴィッチ、ソニック・ユース、マンソンファミリー、クラフトワークなどなど。ここで取り上げられている後美術を好きでたどってきたんだな、と自分の嗜好もあぶりだされた。

  • 三県・境三

    現代アートなどと使われる「アート」という言葉とポピュラーミュージックとかを演奏する人やバンドマンなどを指すアーティストが行なう「アート」という言葉とを接続するという歴史的文脈の再構築を目指した本だと思いました。村上隆なんかが行なってきたのとは別の仕方で。

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