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群青 日本海軍の礎を築いた男

植松三十里

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167801137
ISBN 10 : 4167801132
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2010
Japan

Content Description

幕府海軍の設立から、その終焉まで立ち会った男、矢田堀景蔵。幕府学問所で秀才の名をほしいままにした景蔵は、阿片戦争の波及を恐れた幕府の命により、長崎の海軍伝習所に赴任した。そこでは勝海舟、榎本武揚等、その後の幕府の浮沈を共にする仲間と出会う。幕府海軍総裁まで昇りつめた男の生涯。

【著者紹介】
植松三十里 : 静岡市出身。昭和52年に東京女子大学史学科卒業後、出版社勤務などを経て、平成15年「桑港(サンフランシスコ)にて」で第27回歴史文学賞受賞。平成21年『群青―日本海軍の礎を築いた男』にて第二八回新田次郎文学賞受賞。同年「彫残二人」で第十五回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

    第28回新田次郎文学賞受賞作。日本海軍の基礎を築いた矢田堀景蔵の生涯を描いた物語。「歴史に名を残すのは、戦争をした者ばかり。戦争に反対をした者は、戦争を止められなかったのだから評価はされない。私は歴史に名を残さないことを、むしろ誇りに思う。」といった、誠実で努力家であった矢田堀の言葉が刺さる。青は藍より出でて、藍より青し。自分の教え子たちの活躍を喜ぶ晩年の姿に、彼の謙虚だけどそれでいて充実した人生への思いが感じられた。植松さん、初読みでしたが、いいもの読ませていただきました!

  • kawa

    歴史の中でマイナーな存在として忘れられている人物にスポットを当てることを得意とする植松さん。今回は幕府最後の海軍総裁の矢田堀景蔵(鴻)。彼から見る幕末日本や海軍創設の物語。上役・同僚として登場する俊英官僚・岩瀬忠震(ただのり)、永井尚志(なおゆき)、水野忠徳、木村介舟らとの交流、優秀だがまじめで融通の利かない矢田堀に対し、胆力はあるけれど要領の良い勝海舟との確執も読みどころ。関連植松作品としては、咸臨丸の米国渡航を描く「桑港にて」、幕府海軍その後の函館戦を描く「北の五稜星」が既読。本作と合わせ再読もあり。

  • Totchang

    群青色、ウルトラマリンブルーが海を表す色として題名に使われたのかと思っていたのですが、「青は藍より出でて藍より青し」だったとは思いもよりませんでした。第9章でそれを上手に洒落てみたのにも好感が持てました。幕末から明治にかけての歴史の動きには大変なエネルギーと血が流れたわけですが、このような観点から描かれたのを手にするとまた新たに会津藩の悲劇を思い出さずにいられません。歴史に埋もれた海軍総裁矢田堀景蔵の物語。

  • さっと

    「おまえたちが持っている海軍の技術は、自分のものではない。日本の財産だ。それを粗末にしてはならない」―江戸無血開城後、旧幕府軍を率いて蝦夷地にわたり武士の一分を通した榎本武揚に対し、幕府海軍のトップ(すなわち、榎本の上司)でありながら慶喜恭順の意にならい、維新後、「逃げた海軍総裁」と揶揄された矢田堀景蔵。しかしながら、昌平黌の秀才として師にも恵まれ、当代随一の国際感覚と海防意識に裏づけられた行動倫理と、海軍にかけた情熱の前には、そんな評価もふっとぶわ。明治の世で、教育者として生きる道があればよかったのに。

  • yamatoshiuruhashi

    旗本として幕府海軍を作った男。勝海舟が海軍伝習所の功労者として一般に認識されているが、矢田堀景蔵こそがその功を讃えられるべき人だという基盤に立つ。一般に知られていないが最大の功労者の一人であることは間違いない。幕府が海軍を創設し、その訓練所を諸藩に開放することで雄藩が海軍を持ち、それを基盤に日本海軍が育っていくのも間違いなく、その意味で日本海軍の礎を築いた男というのは正しい。本文に共感する部分多いのに違和感を時として感じるのは、軍事認識への甘さゆえか。惜しい。でも貴重な一冊。

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