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大塩平八郎 他三篇 岩波文庫

森鴎外

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003600412
ISBN 10 : 400360041X
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan

Content Description

親の仇を討つ若い女性を活写した「護持院原の敵討」、動乱の渦中にいる人物たちの葛藤を織り込んだ「大塩平八郎」、武士の切腹を主題とする「堺事件」、儒学者の妻の生涯を辿る「安井夫人」。歴史史料に拠りつつ同時代の思潮に反応して、簡潔明晰な文体で描かれた〓外の歴史小説4篇。詳細な注を付した。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    「渋江抽斎」でも思ったが、森鴎外氏ほど、ドキュメンタリー的な文章を書ける人はそうはいない。横暴極まるフランス兵を諫めた咎に対して切腹と言う抗議を取った「堺事件」。その様子を見たフランス領事が退席し、フランス兵は動揺を隠せなかったという事に私もショックを受けた。恐らく、治安維持を任せる日本人を軽んじていただろうフランス人にとっては、死を以て恥を雪ぎ、抗議を為せるもあるという事は彼らにとって衝撃的でしかなかった。それは命より重い恥への観念が当時より、薄れているだろう現代を生きる私たちにとっても同じだ。

  • TakaUP48

    「護持院原の敵討」兄の敵討と名乗り出た弟と息子と相手の顔を知ってる仲間、そして娘での敵討話。見事に敵を討ったのだが、その後の褒美が凄い!ここまで詳細に書かれていたのを初めて見た。「大塩平八郎」当時も豪商達の買い占めがあり、米の価格が急騰!飢饉が続き、官米払下げ施行も滞り餓死者続出。叛乱の一日を描く。「堺事件」史実を淡々と書いているような感じで、例の切腹の壮絶だ!という場面は予想よりもサラリと書かれていた。「安井夫人」醜男で賢く昌平黌の斉長にまでなった男のところに、志願して嫁に来た良く出来た美人妻の話!

  • みつ

    戦前初版の『阿部一族』とは異なりこちらは新しい岩波文庫。注なしの『阿部一族』の流儀で、70ページほどの注はできるだけ見ずに読む。表題作は有名な事件を扱った割には、鴎外らしくあっさりしたもの。「護持院原の敵討」は、敵討そのものよりも敵を追う話が主。若い女性も敵討の主体となり得るとのこと。戊辰戦争期フランス軍兵士を殺害した藩士たちへの切腹処分を詳細に描く「堺事件」は、フランス側の反応が興味深い。ギロチンを「人道的な」死刑器具と考えるのはこの辺りも原因か。「安井夫人」の妻は『澀江抽斎』の五百(いお)にも繋がる。

  • こうすけ

    大塩平八郎の乱を一夜のドキュメントとして描く鴎外先生。史実的には問題あるそうだけど、面白い。

  • 軍縮地球市民shinshin

    「大塩平八郎」と「安井夫人」を読んだ。前者は鴎外の歴史小説の特徴である「歴史其侭」で後者は「歴史離れ」の試みである。「大塩」は幸田露伴の実弟である歴史学者幸田成友が執筆した『大塩平八郎』を参考にして著わしたのでほぼ史実に沿っている。大塩を単なる謀反人とはとらえていないが、思慮が浅くて挙兵したと読める描写がある。

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