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戦争の世紀を超えて その場所で語られるべき戦争の記憶がある

森達也 / 姜尚中

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062126694
ISBN 10 : 4062126699
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2004
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

生きる。愛する。

姜――森達也の指摘するとおり、イエドヴァブネの惨劇の起きたポーランドの小さな村は、戦争の世紀の深い闇を見据えるのに最もふさわしいロケーションかもしれない。この小さな村での出来事から、神でも悪魔でもない、その中間に宙吊り状態になった「人間」の誤謬や不安、恐怖や凶暴さ、そして優しさといったさまざまな情念が垣間見えてくるように思える。
森――姜尚中は険しい表情で、展示物をじっと凝視している。アウシュビッツは僕らにとっての触媒であり、同時にリトマス試験紙なのかもしれない。身体の奥底にしまいこんでいたはずのデモーニッシュな領域が、いつのまにか刺激され、苦い汁となって舌の裏に滲み出す。だからこそ人はここに来る。恐々と。でももしかしたら、意識のどこかでうきうきと。
<本文より抜粋>


【目次】
第1章 戦争の世紀のトラウマ 場所に残された記憶を辿って
第2章 勝者、敗者、被害者の記憶 裁きの場で
第3章 限定戦争という悪夢 冷戦の最前線で
第4章 そろそろ違う夢で目覚めたい

Content Description

目次 : 第1章 戦争の世紀のトラウマ―場所に残された記憶を辿って(善良な村人が殺戮者になるとき/ 虐殺のメカニズム ほか)/ 第2章 勝者、敗者、被害者の記憶―裁きの場で(一億総玉砕の裏側/ 儀式としての東京裁判 ほか)/ 第3章 限定戦争という悪夢―冷戦の最前線で(朝鮮半島分断へ/ いびつな階級と同族憎悪 ほか)/ 第4章 そろそろ違う夢で目覚めたい(純真無垢な残虐性/ リアリティなき殺人の連鎖 ほか)

【著者紹介】
森達也 : 1956年、広島県呉市に生まれる。テレビディレクター、映画監督。1998年、自主制作ドキュメンタリー映画『A』を発表。ベルリン映画祭に正式招待される。2001年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて審査員特別賞、市民賞をダブル受賞

姜尚中 : 1950年、熊本県熊本市に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。ドイツ、エアランゲン大学に留学の後、国際基督教大学準教授などを経て、東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などでも幅広く活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • カザリ

    内容はホラー(虐殺がなぜ起きるのかさぐっている)で、ジャンルはSF,そして、文学というざっくりした印象を持つ本。以前にも森達也さんの本を読んだけれど、どうもしゃべりながら思考を深くする方で、まどろっこしい。それもそのはずで、自分の言葉と思考を進行形でさぐっていくから、冗長になり、こちらも混乱する。しかし、だいたいにおいて言葉にならない問題を言葉にするという文学やSFが担ってきたテーマを体現しているからなのだろう。その意味で、刺激的だが、もう少しまとまりがほしいところ。

  • James Hayashi

    ホロコースト、スターリンの粛清、中国の文明革命、ポルポト、ルワンダの内戦。全て百万人以上の犠牲者を出している。これに2度の世界大戦を加えると、いかに20世紀が殺戮の世紀だったかわかる。2人の対談であるが、各地を旅行し戦争を返り見る。

  • 彩也

    二十世紀の戦争の記憶を止める場所を訪問し、場の力を借りつつ戦争について思い巡らせた対談。あくまで思考の記録なので、想像や推定の連続。学問的な裏づけの有無も不明。四章のアメリカに対しての諸々は、妄想に近いのではないかと思えるし。とはいえ、被害/被虐ではなく、加害/加虐についての記憶や思考も重要だというのは確か。我々は「被害者になる」ことは想像しても、「加害者になる」ことは想像しない。加害者になる可能性だってあるのに。主義主張はともかくとして、読んでいて重苦しい気分になる。あるのは、『虐殺器官』の未来なのか。

  • なおこっか

    アウシュヴィッツを訪ねてから、7歳の甥に「どうしてユダヤの人にそんなひどいことをしたんだろう」と訊かれてから、ずっと、どうしてだろうと考えている。その「どうして」を、森達也と姜尚中が一緒に考えてくれる様な本。被虐の側からだけでなく、加害者側から考えないと暴力は繰り返される、と訴えつづける森達也のことは信頼している。加藤周一の言う、奴隷の平和に甘んじるか、との問いへの答えは、少なくともNOだ。それ以外の答えは、まだ出ない。

  • おたきたお

    対談集。論理派の姜に直観派の森がゴリゴリ押し込んでいくところが印象的。それでも森の言う「麻痺」が戦争のエネルギーなのか。さらなる本質があるような気がする。過去の歴史を振り返る際、その時その場でないと理解できないこともあるだろう。それを共感し実感するには徹底した想像力で拾いきる必要があるが、そこまで人間が進化できるだろうか。子供を戦争・虐殺・粛清の手先に使うことの残虐さへの指摘は『カラシニコフ』の主題でもある。本文中の写真がもう少しよい写真だったらよかったのにと思う(まるで記念撮影)。表紙の写真はGood。

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