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司法権力の内幕 ちくま新書

森炎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480067500
ISBN 10 : 4480067507
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2013
Japan

Content Description

いわゆる法曹三者において、裁判官はとりわけ“奇異”な存在である。「司法囚人」とたとえられるような処遇と、強大な権限。裁判所や判事への批判は、その両極端な面を反映するものが多い。では、実際の裁判所はどのような組織か。裁判官たちは、何を考えて裁いているか。「法と証拠」ではなく、組織としての圧力で判決が決まることはあるのか。死刑判決のプレッシャーはいかばかりか―。本書は、著者の裁判官時代のエピソードを交えながら、日本の司法制度の瑕疵と司法組織の歪みや問題を整理。さらに、有名な裁判の舞台裏や、驚きの判決理由を解説する。

目次 : 序章 カフカ『審判』の不思議な真実/ 第1章 第三権力のスキャンダラスな実相―ザンネンな裁判所の人と組織/ 第2章 「司法囚人」の実態―裁判官は司法権力の囚われ人/ 第3章 裁判所の犯罪―「冤罪でも死刑!」の精神構造/ 第4章 日和見の権力―政界汚職事件ではいつも腰砕け/ 第5章 「人質司法」の姑息―罪を認めない限り身柄を拘束/ 第6章 ごまかしの司法判断―不公正な裁判の法理、崩れゆく人権の砦/ 第7章 苦悩する法の番人たち―ニッポン名(迷?)裁判官列伝/ 終章 司法権力をこの手に取り戻すために

【著者紹介】
森炎 : 1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を経て、現在、弁護士(東京弁護士会)。裁判官時代には、官民交流で最高裁から民間企業に派遣され、三井住友海上火災保険(株)に一年間出向勤務した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さきん

    裁判官が激務の中、隔離された状況で、感情を押し殺したまま、死刑判決、終身刑を連発する状況をアイヒマンやフーコの監獄を例に上げて批判する内容。後半部分は、警察、検察、裁判官、裁判所事務の微妙な距離感を形容する。著者は、死刑廃止側かつ裁判員制度賛成のようである。裁判官を増やし、精神ケアの必要を感じる。冤罪は、出された証拠から判断し、何でも焦って誤った判断を下さないような評価システム構築の必要を感じる。

  • Miyako Hongo

    フーコーのパプティコンの概念を引き合いに、司法が国家権力のに逆らえない現実を訴える本。あとがきにあったけど、元はもっと思想寄りの本だったらしい。 公務員官舎から職場まで車で送り迎えされ、職場では個室もなく、旅行するにも許可が必要でギャンブル禁止。...相互監視、権力による監視が行き届いちゃってる裁判官に世間一般の認識に合致した判決なんて土台無理、という主張。疑わしきは罰せずやって、そいつが再犯したら無能裁判官の烙印押されるし。 鵺のような権力の正体に迫る内容だったら、改稿前の原稿も読みたいな。

  • NAKY

    元裁判官の司法権力批判の新書。総じて断片的で部分部分の興味深さはあるもののトータルな読み物としての面白みには欠ける。本職の物書きではない以上仕方ないにせよ編集者の問題か。終わり近く、いくつかの冤罪事件の紹介の章は読み応えあり。財田川事件の弁護の為自ら弁護士へ転じた矢野判事のエピソード、また、検事が判決資料を執行阻止の為隠したかもとの憶測など、感動的、詳しく知りたくなった。

  • てくてく

    フーコーのパノプティコンの概念を司法、特に裁判官に当てはめ、司法の問題を検討しようとしている。著者の半生についても触れられており、死刑肯定論などを比べると読みやすさにも配慮がなされている印象を受けた。ただ、問題点の指摘に対する提言は、裁判員以外に特に無かったような印象を受けた。

  • qsan

    元裁判官の著者が、自らの経験に照らして日本の裁判官の実態を明らかにしている内容です。裁判官は自由と人権の擁護者などとはかけ離れ、治安維持を任務とするバイアスのかかった偏った存在である、としています。これが実態だとすると、日本の司法制度も何とかしないと困ったものです。裁判員裁判で市民が闘え、と著者は主張していますが、裁判員に当たってみたいですね。

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