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ISBN 10 : 4130101242
Content Description
東日本大震災とりわけ原発事故の戦慄を前にして、われわれは何を考え、どのように語るのか。書物や建物といった、個人の生死を超えて存続する物から、世代をつなぎつつ築かれていく世界への気遣い―「世界への愛」―を学んだ著者が、ハイデガーとアーレントのひらいた自然と技術への問いを受けとめ、原子力テクノロジーの問題を存在論的側面からあぶり出す。現代日本の状況に示される反時代的考察。
目次 : 二通りの別離の経験から、もう一つの出来事へ/ 第1部 いのちから世界へ(死を超えるもの―「メタ死生学」試論/ 読むこと、書くこと、考えること―「メメント・モリ」からの出発/ 建てること、住むこと、考えること―Q体への愛/ 自然の力、人間の力―『アンティゴネー』の「人間讃歌」をめぐって)/ 第2部 原子力をめぐる思考の可能性(世界を愛するということ―自然と世界の区別から/ ハイデガーと原子力の問題1―物と総かり立て体制/ ハイデガーと原子力の問題2―もしくは、いかにして原子力で哲学するか/ アーレントと原子力の問題1―大地からの疎外、または宇宙人の地球侵略/ アーレントと原子力の問題2―戦争論への寄与/ 火について―プルトニウムをめぐる形而上学的随想/ 物たちのもとで、人びととともに―自然と世界の絡み合いへ)
【著者紹介】
森一郎著 : 1962年埼玉県に生まれる。1986年東京大学文学部哲学専修課程卒業。1990年東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程中途退学。現在、東京女子大学現代教養学部人文学科(哲学専攻)教授。著書に『死と誕生―ハイデガー・九鬼周造・アーレント』(東京大学出版会、2008年、第21回和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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