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広重ぶるう 新潮文庫

梶よう子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101209555
ISBN 10 : 4101209553
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶のあるこの「藍色」で――。武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞。広重の美人画や役者絵は酷評され、鳴かず飛ばず。切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の顔料「ベロ藍」だった。遅咲きの絵師が日本を代表する「名所の広重」になるまでの、意地と涙の人生を鮮やかに描く傑作。新田次郎文学賞受賞。

【著者紹介】
梶よう子 : 東京都生れ。フリーライターとして活動するかたわら小説を執筆。2005(平成17)年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。’08年「一朝の夢」で松本清張賞を受賞。’16年『ヨイ豊』で直木賞候補、同年、同作で歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。’23(令和5)年『広重ぶるう』で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • W-G

    去年、アロハシャツが売っているのを見て、買おうか悩んだのがキッカケで興味を持った歌川広重。江戸っ子気質で人間味満載の広重を活写した本作は、北斎や国貞といった同時代を生きた偉人と、良くも悪くも違った個性を浮き立たせている。次の土曜日にドラマが放映。キャストもよいので観てみたい。最初の奥さんである加代が名脇役すぎて、あっさり再婚してしまったことに違和感残すも、各登場人物との巡りあわせが、すっきりと適材適所でいて、どれもちゃんとドラマになっている。ベロ藍への執着だけはもっとねちっこく描写してほしかった。

  • yamatoshiuruhashi

    私の世代は「安藤広重」として記憶した。歌川広重と言われてもピンとこない。が、どちらにしても広重のことは、永谷園のお茶漬け海苔のオマケを集めて送ったら貰えた一揃いのトランプサイズの浮世絵カードでしか知らなかった。その絵の背景の物語にグイグイと引き込まれた。火消武士として前半生を送り、如何に絵で身を立てるようになったか。浮世絵師といえば春画もセットのようなイメージだったが、広重の絵の特性からまさに「笑い絵」になってしまう話、そして何より絵に賭ける情熱。物語に没入できた。

  • 優希

    面白かったです。葛飾北斎や歌川国貞と同時代の浮世絵師が人気の中、絵師を目指す歌川広重、酷評されながらも「ベロ藍」に出会うことで広重の運命は変わったと言っても良いでしょう。遅咲きながらも日本を代表する絵師になるまでの人生が鮮やかに描かれ、興味深く読めました。

  • どぶねずみ

    西洋美術よりも日本美術の方が好き。日本美術のなかでは浮世絵が特に大好き。浮世絵を描く絵師といったら、代表格の北斎よりも、迫力満点の国芳やしっとりした風景画の広重が大好き。そう、これは広重の生涯を描いた小説。浮世絵の歴史は長いけれど、今羅列した名前の人たちは同じ時代を生きている。当然この業界では何度も比べられたに違いない。でも、絵なら何でも書けるわけではない。春画は人物像を上手に書ける人でなくてはセンスないし、風景は広重しかいない。広重をもっと堪能したい「広重好き」にはたまらない人物小説だ。

  • みつ

    「ベロ藍」(「ベルリンの藍」から来た言葉とのこと)という絵の具は、もっぱら北斎との関連で記憶に留めていたが、歌川広重にも多大な影響を与えていたことを知る。その姓が示す通り、歌川一門の中で広重の個性が発揮されていく様が、北斎、国芳らを交えて描き出される。とともに気の乗らない題材(枕絵)を手掛けざるを得なかった状況など、家族の事情や出版業者との駆け引きも物語の主題になっている。特に色彩表現は摺師の手腕によるところが大きいため、その重要性にも気付かされた作。どちらかといえば地味な印象の広重もかなり変わった。

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