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リバーサイド・チルドレン 創元推理文庫

梓崎優

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488432126
ISBN 10 : 4488432123
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。「迷惑はな、かけるものなんだよ」過酷な環境下でも、そこには笑いがあり、信頼があった。しかし、あまりにもささやかな安息は、ある朝突然破られる―。彼らを襲った連続殺人の真相とは?激賞された連作『叫びと祈り』の著者が心を込めて描き上げた、鎮魂と再生の物語。第16回大藪春彦賞受賞作。

【著者紹介】
梓崎優著 : 1983年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。2008年、短編「砂漠を走る船の道」で第5回ミステリーズ!新人賞を受賞する。選考委員から激賞された受賞作を第一話に据え連作化した『叫びと祈り』を10年に刊行。同書は“週刊文春”ミステリーベスト10国内部門第2位をはじめ各種年間ミステリ・ランキングの上位を席巻し、2011年本屋大賞にノミネートされた。13年に初長編となる『リバーサイド・チルドレン』を発表し、翌年に第16回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    前作で味わった異国情緒とミステリの組み合わせの妙味をふたたびと思って手に取った。こちらの舞台はカンボジア。熱帯モンスーンの高温多湿特有のじとっとした感覚が文章から伝わってくる。それは気候だけでなく、その地の川辺で日々を生きるストリートチルドレンの叫びと祈りともシンクロしている気がした。主人公の設定や他も幾つか強引さを感じたが、単に異国の哀しき物語としてではなく、著者はその内側からの世界を見せたかった、想像させたかった、そんな気概を感じた。謎が解かれても解決していない。そのことに気付かされるミステリだった。

  • Akihiko @ VL

    梓崎優さん2冊目の読了。大藪春彦賞受賞作。 カンボジアの川沿いで懸命に生きるストリートチルドレン達が受ける迫害に胸が痛くなりました。誹謗中傷なんて言葉では生ぬるく、虫ケラのように命を軽んじられている彼等が"人"を目指したからこそ、今回の事件が起こってしまったことがとても悲しいです。警官が子ども達に躊躇なく拳銃を発砲する廃れた倫理観。それは街の治安を守るという大義名分を掲げながら、容赦無く命を奪っていく殺戮と言っても大差ない。国民や観光客は彼等の犠牲の上に、生活を担保されていることを理解しなければいけない。

  • さち@毎日に感謝♪

    帯に惹かれて読みました。初読み作家さんです。ストリートチルドレンとして生きている少年達の仲間が殺される話でしたが、殺人事件よりも少年達の気持ちに寄り添っている作品だと思いました。「迷惑はかけるもの」という文章が印象でした。

  • ひろ

    カンボジアでストリートチルドレンとなった日本人少年。彼の視点から、極貧生活の過酷さと厳しい環境の中で育まれる仲間の絆が描かれていく。詩的な文体が緩衝材になることで、あらすじから想像したほどの暗さや重さはなく読み進められる。中盤までミステリ的な動きはないが、特殊な舞台設定を読み込んでいくだけで面白い。連続殺人が始まってからは次々と展開が進むため、やや取り残される心地があった。ただ最後には謎が丁寧に解き明かされ、「叫びと祈り」と通ずる唯一無二の味わいも感じられた。新作を気長に待ちたい。

  • hide

    視点は日本人のストリートチルドレンである少年の視点だ。場所はカンボジアの川沿いのゴミ山の近く。ゴミ山から資源ゴミを回収し毎日命を繋ぐ、そんなストリートチルドレンの中に、何故日本人の少年がいるのか?あまりに馴染みのない設定が、よりその悲惨さを際立たせる。親に捨てられた子供たちの過酷さ、それだけの物語なんてもういらない。辟易する。著者は祈りと叫びを丁寧に描く。だからこそ届くんだ。

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