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日本探検 講談社学術文庫

梅棹忠夫

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062922548
ISBN 10 : 4062922541
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2014
Japan

Content Description

知の巨人はそれまでの探検で培った巨視的手法で己れの生まれた「日本」を対象化する。「文明の生態史観序説」と『知的生産の技術』の間に書かれ、梅棹学の転換点となった“知られざる主著”が初の文庫化!

目次 : 福山誠之館/ 大本教/ 北海道独立論/ 高崎山/ 名神高速道路/ 出雲大社/ 空からの日本探検/ 『日本探検』始末記

【著者紹介】
梅棹忠夫 : 1920年、京都に生まれる。京都帝国大学理学部卒業。理学博士。1955年京大カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊に参加。京都大学教授。国立民族学博物館の創設に尽力し、初代館長となる。1994年文化勲章受章。2010年、90歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    碩学の日本旅行記。とはいえ単なる旅行記ではなく、それぞれの章が文明論、文化論として読む事が出来る。最初の福山誠之館こそ福山の歴史案内の観を逃れる事が出来ていないが、続いての大本教から弾圧された新興宗教としてではなく、世界を舞台にした宗教という一面を考察している。北海道では中央と周辺、官と民を考え、高崎山では一つの学問の成立とそれにかける情熱を追っている。いずれも興味深く読めるが、ただやはり北海道とか名神高速道路を読むと隔世の感があるなあ。日本列島改造を経た現在の状況を、著者ならどう見るのであろうか。

  • cape

    知の巨人による1960年の書。福山、綾部、根釧原野、高崎山、名神高速、出雲大社などを舞台に、アカデミックでない、平易な言葉で、フィールドでの自身の目を通した考察は、日本を深掘りする。文化、人類、社会、歴史、宗教。小難しげなテーマが面白くリアルに響いてくる。時代が少し古いのもまた現代と比較されて興味深い。著者の知られざる主著とのこと。それを知った歓びとともに、日本探検を終えた。名著。

  • まふ

    梅棹忠夫が専門の文化人類学とりわけ「文明の生態史観」によって開発した世界文明の第一地域第二地域論の応用も含めて独特の発想から日本の各地を分析したものであり、「福山誠之館」「大本教」「北海道独立論」「高崎山」「名神高速道路」「出雲大社」「空からの日本探検」を含む。どれもが面白い独自の論理であった。福山誠之館は明治維新の日本欧化中央集権国家への地方の柔軟な対応であり、また基本的には日本の文化歴史が常に二重性を持っていたことの証明でもある、という点において卓抜した観点である。

  • my

    梅棹先生の、なんと幅の広い知恵だろうと、改めて感銘。藩校の歴史から北海道のパイロットファーム、高崎山の猿から出雲大社の結婚文化の成り立ちまで。好奇心の感度の高さに、脱帽です。そしてなにより、1960年に刊行されたものとは思えない、今でも色あせることのない斬新な切り口。堅苦しい、証拠を集めたようなものではなく、事実に基づいた類推が物語のように展開されていきます。それは、論文だけでなく、自らの足でフィールドワークにいったからこそ、自分の言葉で語れるのだと、感じました。

  • 紙狸

    単行本は1960年刊行。未収録の稿を含めた文庫本は2014年に出た。梅棹忠夫が日本各地でフィールドワークをする。この本で確認できた梅棹の思考パターンは、欠如の発見だ。日本の1950年代の自動車道の貧弱さを論じた章で、西洋と違って、日本では馬車がなかった点を指摘する。西洋では馬車道が自動車道の前身となったのだ。日本のサル学研究者は、西欧の学者と違って、観察するサルに名前をつける。サルにより近しい。彼我の違いの背景は、キリスト教文化圏か否か、だけではない。欧州には自生のサルがいない。日本にはいる。

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