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女と文明 中公文庫

梅棹忠夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122068957
ISBN 10 : 4122068959
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2020
Japan

Content Description

「男と女の、社会的な同質化現象はさけがたい」―今や至極当然とも思えることを半世紀以上前に民族学者の立場から徹底的に論じた梅棹忠夫。発表するや賛否両論の大反響を巻き起こした「妻無用論」「母という名のきり札」を含む慧眼の書。

目次 : 女と文明/ アフガニスタンの女性たち/ タイの女性たち/ 家庭の合理化/ 妻無用論/ 母という名のきり札/ 家事整理の技術について―家事整理学原論1/ すてるモノとすてられないモノ―家事整理学原論2/ あたらしい存在理由をもとめて/ 女と新文明/ 情報産業社会と女性

【著者紹介】
梅棹忠夫 : 1920年(大正9)、京都市に生まれる。43年、京都大学理学部卒業。理学博士。学生時代の白頭山登山および大興安嶺探検隊以来、調査、探検の足跡は、ひろく地球上各地にしるされている。京都大学人文科学研究所教授、国立民族学博物館長を経て、同館顧問・名誉教授。京都大学名誉教授。専攻は民族学、比較文明学。94年、文化勲章受章。2010年(平成22)、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 明石です

    たいへん面白く読んだ。半世紀も昔の「女と文明」論なので、現代の視点から、とりわけフェミっ気のある方が読むと、なんじゃこりゃあ!と下腹を抱えそうな文章はちらほらある。けれどもよくよく読めば、梅棹氏の主張は一貫して、女という性が男の付属物であるかのように捉えられている(当時の)現状に異を唱えるためのもの。例えば「文明がすすめば、主婦という職業はいずれ消滅すべき」という明らかに実現しつつある主張がそれ。そしていつもながら梅棹流ののらくら文体に感服いたした。まるで脳みそに吸い込まれるかのような滑らかさが癖になる。

  • ナハチガル

    図書館で面陳されているのをふと手に取り、時間がないからと元の場所に戻したが、帰り際にやっぱり気になって借りて帰った。昔はこういうことがよくあったが、最近ではひさしぶりだ。こういう出会いはやはり大事にしなければならない。著者のことはまったく知らなかったが、とにかく文章が上手い。いまだと炎上するのかもしれないけど、こういった本が多くの人に読まれて、賛否両論が巻き起こるのが健全なのではないかと思う。「母という名の城壁のなかから、一個の生きた人間としての女をすくいだすには、いったいどうしたらよいだろうか」。A。

  • M

    多様な文化的視点から、日本の女性が置かれていた状況を中世の歴史の流れから現代に至るまでの母親の地位、家庭の内側から特徴付けていて、その内容自体は1960年代ぐらいで、また、男性視点でもあるため、古びたところはあるが、現在の男女の位置を時間の流れの中で俯瞰する上では有益な視点が詰まっている。イスラーム社会の一夫多妻制と日本の主婦権の比較、西洋社会に見られない家庭の経営的側面を家計簿という視点から相対化し、家事労働の多さは日本女性が主婦業を正当化するために生み出された発明など奇抜な視点もあり、興味深かった。

  • 圓子

    頭を抱えている。読書中、不快感に襲われ続けていたからだ。家事・育児に逃げ込みそこを死守せんとした女。夫の稼ぎに依存せざるをえなかった女。それを逆手にとれと言う。いや、やだよ。そもそも論のその状態はそれでいいんですか?である。女性パワーだの活躍だのとおだてられても、結局ばかにされているようで気持ちは暗くなるばかり。しかし、解説やレビューを読むに誤読なのでは?と、自分の読みに自信がなくなってきた。医学部ゲタ問題なんかを知ったら、この人なんて言ったかなあ。

  • Inzaghico (Etsuko Oshita)

    中公叢書で1988年に刊行されたものに、河出書房の梅棹を特集したムックの上野千鶴子の解説を再録して刊行された。解説の最後を上野は「このひとをフェミニストと呼ぶべきだろうか」で終えていて、笑ってしまった。家事をできるだけ楽にするには、電力化と「無精者 四角い座敷を丸く掃き」(わたしのモットー)と「捨てる」がカギだというが、これはたしかにそうだ。コンマリのずっと前に、愛着のあるものは捨てなくてもよいということを言っていた。一戸建てで平屋以外の家なら各階に掃除機を置くべし、というのはそのとおりだとわたしも思う。

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