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民間信仰 ちくま学芸文庫

桜井徳太郎

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480099761
ISBN 10 : 448009976X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

河童・濡れ女子のごとき魔物、疫病をつかさどるハヤリ神、人に憑く姿の見えない妖怪ノツゴ、門松・松飾りを焼く正月行事や初田植・穂掛け祝いのような農耕年中行事など―日本の民衆生活に沈殿している信仰の数々。その正体は何なのか、どのような構造で意識の底に堆積しているのか。本書は、柳田國男門下の宗教民俗学者が、日本人の宗教生活に分け入った明快な書である。高度成長期以前の暮らしのなかに多彩な怪異と信仰が蠢いている姿を活写し、日本人の精神的伝統へと踏み込んで、長く読み継がれてきた一冊。

目次 : 序説 民間信仰の性格(民間信仰と宗教/ 民間信仰の領域/ 民俗信仰の基底/ 民間信仰の特色)/ 1 民間信仰の伝承態(タタリガミ(祟り神)伝承/ 憑きもの伝承/ 妖怪伝承/ 憑き神信仰)/ 2 地域社会の祭祀と信仰―民間信仰の基盤(神社祭祀と民間祭祀―神社と民間信仰/ 物忌みと潔斎/ 屋敷祭と荒神祓)/ 3 村落寺院の信仰的機能―仏教と民間信仰(民間の神仏関係/ 村落における寺院の機能/ 仏教行事と民間信仰)/ 4 民間信仰伝承の成立と展開(ノツゴ伝承成立考―民間信仰の歴史・民俗学的考察/ 陰膳習俗源流考/ 外来信仰の受容と民間習俗の変容)

【著者紹介】
桜井徳太郎 : 1917年、新潟県生まれ。東京文理科大学文学部史学科卒業。東京教育大学教授、駒澤大学教授、同学長、日本民俗学会会長などを務める。柳田國男に師事し、民間信仰やシャマニズム研究の分野で、多くの業績を残した。2007年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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おもに愛媛など四国や九州などや淡路島など...

投稿日:2025/03/30 (日)

おもに愛媛など四国や九州などや淡路島などが中心で全国的な北海道から沖縄まで調べ歩いたのだと思って購入したら、ちょっと違った…私は関東の人間なので未知の地方の民間信仰についてだったので興味はあったけど、自分の住んでいる地域の話ならもっと興味深かったと思う。でも面白いのか面白くなかったのかというと面白かったので購入してよかった。自分の住んでいた地域の庚申様の祠が前から気になっていたが、今日は手を合わせてきた。民間信仰はどんどん縮小されていく…そのうち消滅してしまうかもしれないというはかなさに、今のうちに学者の先生たちが何とかこれを書き留めておいてくださらなければ、残らないという危機感がある。私も一冊でも多くこれらの本を購入したりすることで後世にこういう昔の人の思いがあったんだよと伝えていく手助けをしたい…

ojisan さん | 埼玉県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    実例を元に民間信仰というものを論じた一冊。何が凄いって本書の中に含まれる豊富な実例。冒頭から宇和島における御霊信仰等諸神の信仰から始まり憑き物や妖怪が取り上げられる。さらには北九州のコイチロウ信仰から、淡路島の寺院の分布とそれらが弁天まつりや団子ころがしといった習俗を内在していった道のり。そして白眉ともいえる四国や近畿に広がるノツゴ伝承を体系化したものや陰膳がどのように変化したか等を論じた部分など、その含んでいるものは計り知れない。民間信仰を知りたい人から怪談好きまで、幅広く楽しめる一冊となっている。

  • ∃.狂茶党

    柳田國男最後の弟子による、民俗学研究。 民俗学の本は大抵そうだが、短い論考をまとめたもの。 本書は非常にイキイキしている。 本書が執筆された1960年代は、まだ江戸時代に産まれた人が生きていて、風習がかろうじて生き延びていた。 だから、ここで語られる民俗はドキュメンタリーな部分がある。 これは、いま、民俗学をやる人には得難い体験である。

  • テツ

    初出は1966年。本邦における民間信仰について。アニミズム的な価値観とそれをベースに理由づけられる世界の形。ヒトの内側にある暗がりにも山中でふと感じる違和感にも、その向こう側に何かしらの姿を幻視する。精神のゆらめきにも自然現象の激しさにも必ず理由があり、それを発生させる存在がいる筈だ。ぼんやりとでもそうした感覚で世界を眺めることができていた時代って、人間の感じる「寂しさ」は今より小さかったのかなあと思う。いつの間にかこの世界から人間以外の存在は去ってしまった。

  • ハルト

    読了:◎ 『珍習といわれ、迷信といわれた民間信仰も、その本質が明らかにされてくる。そうして、なにゆえ、この地域に、かくのごとき相(すがた)で現存するにいたったのであるか、その理由が正しく把握されてくる』。とあるように、民間信仰の本質的姿を、潜んでいる信仰を探りたぐり寄せることによって解明しようとしている。ノツゴ神や陰膳の由来、祟り神、憑きものの妖怪の伝承態。地域社会における祭祀と、物忌と潔斎、屋敷祭と荒神祓。仏教と民間信仰など、当時の現代的感覚から生活の中の歴史を捉えてある。読み応えがあり勉強になりました

  • フリウリ

    1966年刊。本書では「ノツゴ」「隠膳」などの気になる信仰、習俗が取り上げられています。現代とは隔世の感がありますが、調査地であった愛媛・南宇和や大分・国東は今や、(ITなどで)生活の利便性はまずまず向上し、(高齢化、過疎化で)地域の習俗は消滅しつつあると思います。しかし、この列島に住む「民族」がかつてどのようであったか、を知ることは、「巨大な物語」に塗りつぶされないためにも重要でしょう。本書は読み物としても十分おもしろいのですが、資料として残してくれた桜井氏に感謝です。8

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