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歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス 講談社学術文庫

桜井万里子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065315125
ISBN 10 : 4065315123
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan

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Book Meter Reviews

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  • さとうしん

    本書は、歴史というジャンルがまだ存在しなかった時代に歴史学を打ち立てた人々の営みを描いたということになるだろうか。時に「嘘つき」とまで呼ばれるヘロドトスの叙述から現代の視点で読み取れること、そして史実の選択に慎重だったとされるトゥキュディデスが書かなかったことというアプローチの仕方が面白い。本書を読むと、これまで何度となくヘロドトスと比較されてきた司馬遷について、相互の時代状況や歴史叙述へのスタンスの類似性から、やはり比較の価値があると感じた。

  • buuupuuu

    E.H.カーはトゥキュディデスをあまり高く評価していなかったそうだ。彼はコーンフォードに依拠して、ペロポネソス戦争の原因を経済情勢に求めた。他方トゥキュディデスは、人間本性についてのその冷徹な見方で知られるが、経済的利害関係などの要因に触れることはあまりなく、力と力の関係に基づく説明を好んでいたようだ。戦争の原因は、強大化していくアテネをスパルタが脅威と捉えたことにあるとした。いわゆるトゥキュディデスの罠である。現在ではコーンフォードの説は否定され、トゥキュディデスの説が支持されているようである。

  • MUNEKAZ

    指摘されてみれば成る程なのだが、ヘロドトスもトゥキュディデスもその著作を始めたときには「歴史学」なる学問は無く、歴史家なんて存在もしなかった。彼らは期せずして新しい学問を作った開拓者であり、それを歴史学のお作法で批判しても意味は無いのだ。ヘロドトスのときに学際的とも言える語りや、トゥキュディデスが「書かなかった」ことなど、そのジャンルのオリジネイターのみが持つ魅力を紹介している。司馬遷の『史記』もそうだが、史料として、読み物として、そして歴史書として常に後世から参照され続けてきた理由がよくわかる。

  • ラウリスタ〜

    歴史を書き始めたギリシャの二人。ヘロドトスはペルシャとギリシャとの戦争を、伝聞や伝説、興味深い逸話などを交えて語る。それに対し一世代あとのトゥキュディデスは、その後のアテナイとスパルタとの間のペロポネソス戦争を、自分が確認したものだけで禁欲的に語る。一般的には「嘘つき」のヘロドトスから、トゥキの事実だけを語る作風への変化が、歴史叙述の誕生として説明されてきた。ところが、ヘロドトス=嘘つき批判(例えばカー)などは、現代の歴史学では逆に批判され、ヘロドトスの慧眼が再評価(伝説など収集し、文化人類学的にも重要)

  • Hiroshi

    ヘロドトス(前484年〜前420年)とトゥキュディデス(前460年〜前400年頃)は人類初の歴史家だ。彼らが歴史家となっていった経緯を考え、歴史とは何かについても考えていく本。ヘロドトスは前490年と前480年のペルシャ戦争を、トゥキュディデスは前431年から27年続くペレポネソス戦争を記した。ホメロスが『イリアス』でトロイア戦争を描いているが歴史ではなく叙事詩だ。ヘロドトスは調査・研究(ヒストリエー)を、トゥキュディデスは真実の追究(ゼーテーシス)をした。トゥキュディデスは何故同じにしなかった。批判か。

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