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「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都 文春新書

桃崎有一郎

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166612574
ISBN 10 : 4166612573
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

平安京=京都ではない!清水寺、知恩院、三十三間堂、祇園、東山、鴨川…いずれも平安京の外だった。では、いまの「京都」の原型をつくったのは一体誰なのか。壮絶な権力闘争と土地開発の知られざる物語を気鋭の歴史学者が読み解く。

目次 : 第1章 武士に依存する平安京と朝廷の治安―「獄門」と凱旋パレードの成立/ 第2章 「京都」誕生と「天下」の謎―秩序の平安京+君臨の鳥羽+極楽往生の白河/ 第3章 武士代表となる平氏―京都と院政に融合した新種の実像と虚像/ 第4章 京都と天皇を呪う嗷訴、守る武士―院政が生んだ反逆者と守護者/ 第5章 破局する京都と保元・平治の乱―武士が都を蹂躙する「武者の世」/ 第6章 六波羅と法住寺殿の大規模開発―後白河院・平家の二人三脚と京都拡張/ 第7章 平家の新都市域「八条」の開発―京都が最初の完成を迎える時/ 第8章 “殿下の乗合”事件―京都の生活を支配する武士の論理

【著者紹介】
桃崎有一郎著 : 1978年、東京都生まれ。歴史学者。高千穂大学商学部教授。2001年、慶應義塾大学文学部卒業。2007年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。古代、中世の礼制度や法制度、政治などを研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    「平安京」が「京都」になるまでを、武士の活躍と共に解説をした一冊。これで言われて改めて気が付いたけど、現在の京都の名所ってそのほとんどが平安京の外にあるというのは目から鱗。長い間住んでいたけど、全然気にした事が無かった。あと本書は鳥羽や六波羅といった東山、八条等の平安京外の発展の記録であるとともに、主に院政期の通史としても読む事が出来、そちらでも十分面白い。保元・平治の乱以前の事等には暗かったので、兎に角教えられる事多し。あと自分が昔住んでた場所に意外な建物があったりして、そちらも興味を惹かれたし。

  • ぽんすけ

    平安京=京都ってイメージだったんで清水寺や金閣銀閣、三十三間堂、平等院といったメジャー観光地が従来の平安京の中に一つもないと知って驚いた。歴史の時間に資料集で見た平安京が実際には設計通り開発もされずただの桓武天皇の妄想図面とかびっくりである。元々の平安京の右京や南部が低湿地帯で居住に向かなかったってのが一番の原因だろうけど、白河院から始まる院政時代と、平氏の拠点となった六波羅開発が今の現代人が認識する「京都」を作っていったということが大変わかりやすく解説されていて良かった。やっぱりこの先生の本は面白いな。

  • 寝落ち6段

    京都観光といえば、どれも平安京の外側ばかり。その指摘には虚を突かれた。あたかも京都は朝廷の、天皇のお膝元で、天皇を中心に形成されてきたとばかり思いこんでいた。貴族中心だったものが、白河院政を変換点として武士が台頭するにつれ、武士中心の都市に変貌していった過程を追っていくと、町の構造の変化も納得する。あまりにも京都を、歴史ある古都だと、イメージが先入観を作っていた。そうだ、京都は戦乱の都だったのだと思い起こさせられた。書きっぷりも臨場感があり、とても面白かった。

  • kawasaki

    『平安京はいらなかった』から読むと、「都市のかたち」と「権力のかたち」「社会のかたち」を一連のものとして捉える著者の描きだす論がよりわかりやすい。タイトルにある「京都」の拡張について語りつつ、「京武者」論や「西八条殿=清盛邸」説などに対する疑義の提起、「獄門」「天下」といった語の解説など、一般向けの語り口でありながらも濃厚な内容。全体も個々も興味深いが、山門衆徒・武士・白河院と登場勢力全部強烈な嗷訴のインパクトや、暴力とスマートさを同居させる平家の相貌などが印象に残る。

  • MUNEKAZ

    桃崎先生らしく力強い言葉でグイグイと読ませる一冊。本来の役目を果たせず打ち捨てられた平安京が、院政という新しい政治の形を受けて、新興住宅地(鳥羽・白河)の建設と武士の流入による大改造の結果、「京都」へと生まれ変わる過程を追う。単に京都の地理学にとどまらず、武士の誕生と発展、院政の展開ともリンクさせた内容は、著者のこれまでの一般書とも通じるところが多々あり面白い。「京武者」の定義、「八条院」を清盛邸とするかなど、相変わらず学問的にもキレキレな姿勢も良い。

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