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互酬性と古代民主制 アテナイ民衆法廷における「友愛」と「敵意」

栗原麻子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784814002504
ISBN 10 : 4814002505
Format
Books
Release Date
April/2020
Japan

Content Description

ギリシア法廷弁論から民主制の本質を読む。今日に劣らぬ訴訟社会の古代アテナイ。裁判員の前で当事者達が虚々実々の弁論を繰り広げる。法廷で繰り広げられる人生劇場から、古代アテナイ社会を支える民主制の構造を明らかにする。

目次 : 序論部 互酬性を飼いならす(アテナイ史と互酬性―アルカイックな痕跡かヘレニズムの先駆けか/ 友愛とポリス―アリストテレス『ニコマコス倫理学』/ 大きすぎるポリスの小さな法廷―民衆法廷の社会的性格)/ 第1部 公的言論のなかの血縁ネットワーク(家族の肖像―前四世紀アテナイにおける法制上のオイコスと世帯/ 血縁と友愛―イサイオスの描く親族争議/ 獲得されるものとしての親族関係――前四世紀におけるソロンの遺言の法の運用)/ 第2部 公と私のはざまで(ヘタイレイアーの信義をめぐって―前四一五年のアンドキデス/ 被害者のための報復―「何人でも欲するもの」による訴追の運用/ 法廷における動機としての個人的敵意――公私の分離/ 法廷弁論における訴訟の動機と私的敵意―公私の連続)/ 第3部 私人たちの世界(イディアイ・グラファイ(私的な公訴)―デモステネス『メイディアス弾劾』の場合/ アプラーグモシュネー(静謐主義)と市民性―リュシアスの描く「私人」たち/ ポリスへの参画―遊女ネアイラと市民女性)/ 第4部 友愛共同体としてのポリス社会(恩恵と哀れみ―法廷における感情/ 『レオクラテス弾劾』―リュクルゴスと互酬的秩序)/ 結論部

【著者紹介】
栗原麻子 : 大阪大学大学院文学研究科教授。1995年京都大学文学研究科博士後期課程指導認定退学。京都大学博士(文学)。専門は古代ギリシア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • みのくま

    アテナイ民衆裁判は、国家が拡大し国民全員が知り合いではなくなったアテナイにおいて、一種の自己PR的要素を含んだ演劇的空間であった。裁判は私的な事件を公的な事件として、また公的な事件を私的な事件として捉え直す場であると共に、被告の人格が国家にとって有害なものであるかどうかが吟味される。そこに事件の真実がどうであるかはさほど重要なものとして認識されていなかったのだ。他方、裁判は政治的対立や報復の連鎖を調停する場としても機能した。民衆裁判はアテナイ民主制の一丁目一番地であり、政治や社会と密接に関係していたのだ。

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