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ヒト夜の永い夢 ハヤカワ文庫

柴田勝家

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150313739
ISBN 10 : 4150313733
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2019
Japan

Content Description

昭和2年。稀代の博物学者である南方熊楠のもとへ、超心理学者の福来友吉が訪れる。福来の誘いで学者たちの秘密団体「昭和考幽学会」へと加わった熊楠は、そこで新天皇即位の記念行事のため思考する自動人形を作ることに。粘菌コンピュータにより完成したその少女は天皇機関と名付けられるが―時代を築いた名士たちの知と因果が二・二六の帝都大混乱へと導かれていく、夢と現実の交わる日本を描いた一大昭和伝奇ロマン。

【著者紹介】
柴田勝家 : SF作家。1987年東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻博士課程前期修了。在学中の2014年、『ニルヤの島』で第2回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞し、デビュー。2018年、「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」で第49回星雲賞日本短編部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 榊原 香織

    昭和前期オールスター登場 主人公は南方熊楠 他に、宮沢賢治、江戸川乱歩、植芝守平、石原莞爾、北一輝 作者、興味のある人全部盛り? SFというかファンタジー。大作。所々面白いんだけど。特に後半3分の1は。 まあ、面白かった本に入れておこう

  • いちろく

    並行世界の昭和初期を舞台に、死体をベースにした自立思考型からくり人形である天皇機関巡る物語。南方熊楠を主人公に、千里眼に関わった福来友吉、人形の核である粘菌を提供する宮沢賢治、探偵として江戸川乱歩、をはじめ実在の人物が多数登場。人形の開発が日本歴史に残る大事件へと繋がる壮大な世界観の内容。哲学的でありながら阿呆であり、阿呆でありながらも哲学的な展開が続くラストへの流れが、濃いエンタメSFとして面白かった。夢と現の物語でもあったと。

  • geshi

    これは一両日で読み終えて正解。読んでいる間が、まさに絢爛豪華で陶酔してしまいそうになる一夜の夢のような読書体験だった。伝奇ものの美味しいところである「あの著名人が」の大風呂敷をしっかり広げ楽しませてくれる。事態が混乱を極め時代が戦争に向かっていく中であっても、お祭り騒ぎのような底の抜けた狂想感でエンタメとして突き通す。粘菌コンピュータ・不確定原理・知覚と世界、SFガジェットを縦横に用いて「あったかもしれない世界」を見させてくれる。そして読後の寂しさもまた、儚い夢のあと。

  • サケ太

    柴田勝家最高傑作。本当に面白い。メチャクチャ良質にして、濃厚な昭和伝奇ロマン!奇抜で豪快、博覧強記な南方熊楠を筆頭に、昭和を生きた魅力的な人々が続々と登場。思考する粘菌の発見から、知っている人物から知らない人物まで出てくるのが本当に楽しい。江戸川乱歩、孫文、石原莞爾など。様々な人物たちとの“因縁”と“天皇機関”を巡る試行錯誤と騒乱。数々の展開、特に「世界一大劇場」に圧倒された。超オススメ!

  • 十二月の雀

    恥ずかしながら不勉強故に、大半の昭和初期の名人物を知らなかった。読後は登場人物を一人一人ウィキペディアで検索。無知でも物凄く楽しめたけど、その筋に詳しければもっと楽しかっただろうな。個人的に名シーンだとおもうのは、14頁に及ぶ、少女の長尺口上。クライマックスの演出として最高に盛り上がり、それまでの答え合わせとしての説明、少女の気持ちの発露…。それまで沈黙していただけに存在感が素晴らしかった。実在の人物をモチーフにしてこう言うと失礼だけども、マッドサイエンティスト的でもある主人公が凄く魅力的だった。

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