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三島由紀夫作品に隠された自決への道

柴田勝二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784396113001
ISBN 10 : 4396113005
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1970年11月25日、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決を遂げた三島由紀夫。その理由を巡っては様々な解釈が試みられてきたが、どれも十分とはいえない。それは表現者としての三島と、実行者としての三島との関連を解き明かしていないからである。だが、その答えは、生涯にわたる三島の作品の中にあった。戦後日本への期待を裏切られ、次第に批判を強めていくなかで、三島はさらに、もはや“神”ではなくなった昭和天皇を否認し、代わって自身を“神”としようとするに至った。『潮騒』から『豊饒の海』まで、一連の作品を読み解くことを通して、三島の自決への軌跡をダイナミックに浮かび上がらせる。

目次 : 第1章 三島の自決はどう捉えられてきたか―否定から共感へ/ 第2章 物語を動かす「他動的な力」―『潮騒』における日本回帰/ 第3章 「教育的」な放火―『金閣寺』と対米従属批判/ 第4章 不在の家長たち―『鏡子の家』と“天皇”の表象/ 第5章 現実への断念と彼岸への超出―『サド侯爵夫人』と戦後日本批判/ 第6章 「みやび」としてのテロリズム―二・二六事件と『春の雪』/ 第7章 世界を存在させる「流れ」とは―『豊饒の海』の転生とアーラヤ識/ 第8章 “神”となるための決起―『天人五衰』と一九七〇年十一月二十五日

【著者紹介】
柴田勝二 : 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。博士(文学)。1956年生まれ。1986年、大阪大学文学研究科芸術学専攻単位取得退学。山口大学助教授などを経て現職。専門分野は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 安南

    トンデモ本みたいだが、物語としてならば、かなり面白い。「戦後日本、戦後天皇への批判、決別」の観点から三島作品を読み解いているので『金閣寺』以前の作品については無理を感じるところも。とはいえ、見落としていた細かい部分、特に日付や年齢の《数字》を丁寧にすくい上げ、読み解く様は新鮮だ。雅とテロを結びつけたことが三島作品の魅力だと思っている私としては『春の雪』に隠された515事件と226事件の件には驚いた。清顕が最後に月修寺を訪れた、あの雪の日が2月26日に設定されていたとは⁉︎気付かなかった!

  • みさ

    三島由紀夫の評論を初めてなので、興奮ぎみに読むことができました。他の評論を読むとまた印象も変わってくるかもしれません。 また三島由紀夫の代表作を読んだら、いろいろな評論を手に取りたいです。

  • takao

    ふむ

  • こたろー

    この著者の読解、特に潮騒と金閣寺にはとっても違和感。ユルスナールが鼈や牡蠣に象徴性を見出そうとしたのと同じような感じ。「そう読めなくもない」程度のものを断定し続けるのはちょっと苦しい。本書の意図を否定しちゃうことになるけど、文学作品から政治的意味だけを取り出そうとするのは虚しいと思う。平成以降の三島論まで踏まえてるのは魅力的。

  • ブラタン

    ちょっと強引かな?三島が二・二六事件を意識して自決したのは間違いない。二・二六事件が青年将校らの天皇親政への願いの発露であったのならば、三島の自決も天皇の神性・絶対性を取り戻すという思いからなされたものであろう。本来の日本を取り戻すために。ただ人間に成り果てた昭和天皇にそれを望むべくもなく、死して自分の思いを世に伝えた。ここまでは納得できるし、恐らく真実であろう。問題は三島が本当に神になろうとしていたかどうかである。三島のナルシシズムを考えると、十分ありうる話ではあるが、本書ではその傍証が稀薄である。

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