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それでも人生にyesと言うために Jr福知山線事故の真因と被害者の20年

柳田邦男

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163906379
ISBN 10 : 4163906371
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2025
Japan

Content Description

1両目が脱線し始めてから、最後尾の7両目が停止するまでの時間は、約10秒に過ぎなかったことになる。その10秒間に快速電車の車内で、乗客の一人ひとりが、どのような経験をしたのか、それが一人ひとりの人生を大きく屈折されることになった。(第一章より)

乗員乗客107人の死者を出した、JR史上最悪の惨事・福知山線脱線事故から20年。著者は事故調査に携わるとともに、遺族、重傷を負った被害者たち、医療従事者、企業の対応など、多角的な取材を重ねてきた。
脱線・転覆の10秒間に起きたこと、そのとき生死を分けたものは何か。
重傷を負った生存者にふりかかった様々な苦悩と、再生への歩み。
事故の真因と再発防止を求めて動いた被害者の努力が、企業を変えていく。

事故とは何か、人間と技術の相克の中で垣間見える「いのちの本質」とは――。巨大事故を問い続けてきた著者の集大成的ノンフィクション。

【著者紹介】
柳田邦男 : 1936年栃木県生まれ。60年東京大学卒業。NHK記者時代の72年『マッハの恐怖』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。その後、作家活動に入り、79年『ガン回廊の朝』で講談社ノンフィクション賞、95年『犠牲〔サクリファイス〕わが息子・脳死の11日』の執筆とノンフィクション・ジャンルの確立への貢献で菊池寛賞受賞。「現代人のいのちの危機」をテーマに病気、事故、災害、公害、原発問題などのドキュメントや評論を半世紀にわたって書き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • nonpono

    人生には忘れられない事故や事件がある。2005年のJR福知山線の事故。わたしは心身を壊し入院中。もぬけの殻のようなわたしはただ茫然とその報道を見ていた。だけどこの事件に関する本は読んだことがなかった。あれから20年、柳田邦男だから読みたくなった。冒頭の写真、読後にまた見返すと涙が止まらなくなった。事故、そして事故によって人生が変わってしまった人々に寄り添い、丁寧に描く。「過去は変えられないが、未来は変えられる。過去にあったどんな辛いことでも、その経験が今の自分をつくったのだ。」あのときのわたしに贈りたい。

  • kawa

    御年89才ノンフィクション名手の最新刊は、2004年に起こったJR福知山線の脱線事故の真因を追った秀逸大著。被害者やその家族に寄り添う、死は誰のものか=1人称(個)、2人称(家族)、3人称(社会)そして導き出される2.5人称論。そこに気付いて得心するのには、それなりの修羅場経験が必要なのかも知れない。圧巻は、JR西日本の法的責任を棚上げして、原因究明を迫った被害者家族の試み。そんな全貌をリポートして残したことが本作最大の成果なのだろうと思う。

  • ぐうぐう

    JR福知山線脱線事故が起こって、今年で20年になるという。その20年は、被害者にとって、遺族にとって、哀しみと再生への20年だったのだろう。柳田邦男はこの機にあたって、事故を起こしたJR西日本を糾弾する以前に、被害者や遺族にとって、どのような20年間であったかを綴ろうとしている。ひとくちに被害者と言っても、乗っていた車両、場所、あるいはほんの小さな偶然の作用により、被害の大きさは異なっている。けれど、どの被害者も覚えるのが「なぜ自分がこのようなことになったのか」という疑問だ。(つづく)

  • どら猫さとっち

    JR福知山線脱線事故から20年が経った。今もあの事故は、恐ろしいものと記憶している。そこで亡くなられた方々、遺族の方々、負傷して先が見えない人生を歩む方々、そしてJRの社員。20年経って明らかになる、それぞれの想いと人生のドラマを描いたノンフィクション。タイトルは、巻末にあるフランクルの名著から来たものである。悲しみやつらさと共に生き、ときには怒りを感じながら、一歩でも歩いていく姿が目に浮かぶ。今度は、事故の真相を深掘りしたノンフィクションが読んでみたい。

  • つく

    事故から20年、生き残った方は心身共に後遺症に苦しめられ、罪悪感を持ち続け苦しんでいる。それでも前向きに生きようとする姿に、自分の生き方を考えさせられる。

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