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おとなが育つ条件 岩波新書

柏木恵子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004314363
ISBN 10 : 4004314364
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2013
Japan

Content Description

激しい社会変動に対応できず、途方に暮れて立ち往生している―。そんな日本の「おとな」の特徴は、社会が急速に変化しているにもかかわらず旧態依然たる「あるべき」姿に縛られたところにある。いかにそこから脱するか。史上類をみない高齢化社会のなかで、自分らしく生き抜くためのヒントになる一冊。

目次 : 第1章 発達とは何か/ 第2章 おとなの知力とは―子どもの「知能」とおとなの「賢さ」/ 第3章 感情と人間関係―おとなを支えるネットワークの発達/ 第4章 家族の中でのおとなの発達1―結婚と夫婦関係/ 第5章 家族の中でのおとなの発達2―「親になる」こと/「親をする」こと/ 第6章 私はどう生きるのか―アイデンティティ、生き方、ジェンダー/ 第7章 幸福感―何がその源泉か

【著者紹介】
柏木恵子 : 1932年、千葉県生まれ。東京女子大学文学部卒業、東京大学大学院教育心理学専攻博士課程修了。教育学博士。現在、東京女子大学名誉教授。専攻、発達心理学、家族心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Miyoshi Hirotaka

    男なら「○○社の部長」、女なら「○○ちゃんのお母さん」など所属集団や役割で自分が位置付けられる。ところが、長期化する退職後や育児終了後の人生を幸せに生きるためには、この価値観の変更が必要。その鍵は脱ジェンダー化。つまり、男女の役割の融合とそれに対する自尊心を持つこと。イクメン、イクジイは女性依存と仕事一辺倒な価値観からの脱却。同級生は男でも女でもなく、「同級性」という別の性。クラス会が楽しいのは性の役割から一時的に解放されるから。人間の発達は死ぬまで続く。自らアイデンティティを作り替えることが幸せを生む。

  • 活字の旅遊人

    2013年の本。2021年の今でも良い内容だと思った。この8年で市井の民(である僕)の意識は変わっていない、ということ。変化していくことが「育つ」ことであれば、当然おとなだって育っていく。「育つ」ことの方向や、到達点を作るのは、誰なんだろう?それは痴呆老人ではないんだよな、やっぱり。本書では後半のジェンダーとの絡みが特に面白かった。妻と夫では、幸福感が異なっているのだが、それが社会的性差の影響を大きく受けているのだと。そういう面も大きいと思うが、生物的な雌雄の違いというのも間違いなくあると思うんだよな。

  • けんとまん1007

    おとなが育つ・・・というか、おとなになっても育つというほうが当たっているのかもしれない。これは、こどもとかおとなとかいうことではなく、人間は育つというふうに考えればいいのだ。育つということの意味するところを、どう考えるかで、随分違う。ある部分が衰えていくとしても、それをカバーできるものがある。それでいいのだと思うし、それは、一個人ではなくて種としての人間と考えてもいいのかな。

  • katoyann

    大人の発達についての研究。平均寿命が延びると、仕事を引退した後の高齢期も含めて、アイデンティティの確立を模索する必要があるという。その際、男性のジェンダリングが問題になる。つまり、ケアを女性に任せて、仕事に打ち込んでいれば良いという価値観が高齢期の男性のアイデンティティ危機の原因となる。日本は世界的に見ても、大人の幸福度が低く、自尊心も低いという調査結果が出ている。仕事をしてお金を稼ぐという自立の固定的なイメージから脱却し、ケアも含め、他者との関係を豊かにすることの重要性が説かれている。勉強になった。

  • 1.3manen

    発達には個人差がある。これは読む前の仮説。大人は発達どころか、消失/衰退という変化に直面(B頁)。生涯発達心理学なのだ。おとなは、丸暗記しない、自分に不要のものは省く、捨てる、焦点化する、と工夫(31頁)。知には実践的(実用的)知能もある(35頁)。本読書会もかくありたい。社会人のための読書会なのである。知情意(39頁)。「選択縁」(72頁)という概念は初めて知った。自分で他者を選んで関係をつくる世代。「育児は育自」(126頁)で親も発達する。だが、非正規非婚化単身世帯激増の世の中ではそれすらできない。

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