バクシャーリー写本 現存最古のインド数学写本 全訳と注

空位と未知数を表す「・」、減数・負数記号の使用などインド数学史上重要な資料である「バクシャーリー写本」。インド数学史研究の第一人者林隆夫博士が、これまでの研究を基礎に整理・解明し丁寧に和訳し解説する。本邦初訳。目次　第1 部　序説　第1 章　バクシャーリー写本の概要と研究史　第2 章　葉のサイズと順序　第3 章　文字と言語　第4 章　性格と形成　第5 章　演算用語　第6 章　略号と記号　第7 章　数と計算の表現　第8 章　数学規則の分類　第9 章　近似根　第10 章　特殊な用語　第11 章　影響を受けた書物　第12 章　著作年と著作地　　
第2 部『バクシャーリー写本』全訳と注 凡例　記号　主な術語　第1 章　番号がわかるスートラ　スートラ10：乗数等式　スートラ11：商人たちと宝石など　第2 章　番号不明のスートラ.　スートラN1：投資（比例配分）　スートラN2：為替手形など　第3 章　推定されるスートラ　スートラC1：逆算法.　 スートラC2：手当と贈与後の等財産など　第4 章　引用されたスートラ　スートラQ1：部分付加　　スートラQ2：近似根.など　第5 章　セクションX の奥書. 索引.【1. 和訳索引　2. 略号索引】書誌．【1. 一次文献　2. 二次文献】
付録 A: 規則と例題文のテクスト　B: 他書との対応　C: 時間と度量衡の単位　D: 数値データ
E: 固有名詞　F: 例題の呼びかけ対象　G:『パタン写本』HJJM8894 の概要　H: BSS 12.16ab のプリトゥーダカ注抜粋　I: 二重葉

【著者紹介】
林隆夫 : １９４９年新潟県生まれ、７４年東北大学理学部数学科卒、７６年東北大学大学院文学研究科印度学仏教史専攻修士課程了、７７年から京都大学大学院文学研究科梵語学梵文学科に在籍、７９年ブラウン大学大学院数学史科に留学、８２‐８３年アラーハーバード大学メータ数理物理学研究所研修員、８５年ブラウン大学大学院数学史科Ｐｈ．Ｄ．１９８６年同志社大学工学部講師、８９年同助教授、９３年同志社大学理工学研究所に移籍、９５年同教授、２０１５年３月同志社大学退職、同年４月同志社大学名誉教授。専門：数学史、科学史、インド学。受賞：フランス学士院碑文文芸部門サロモン・レイナー基金賞（２００１）、日本数学史学会第２５回桑原賞（２００４）、日本数学会第１回出版賞（２００５）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）