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浮雲 角川文庫

林芙美子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041061534
ISBN 10 : 4041061539
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2017
Japan

Content Description

義兄の弟との不倫関係から逃れるため、戦時下、仏印へタイピストとして渡ったゆき子。そこで出会った農林研究所所員、富岡と熱烈な恋に落ちたが、彼もまた、妻のある身であった。戦争が終わり、帰国したゆき子は、富岡の心が彼女からすでに離れていることを知る…。心中旅行、別離、そして妊娠。様々な出来事を乗り越え、二人はついに屋久島へとたどり着く。敗戦後、激動の日本で漂うように恋をした、男と女の物語。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネムル

    敗戦後の虚無文学。林芙美子の吹けば飛ぶよな虚無たい心象はこの作品に限らないが、『放浪記』なんかはアナーキーかぶれな奔放な文体が虚無癖を支えているのが魅力的だ。一方の本作では仏印でのカラフルな記憶が、戦後の鬱屈とした戦後の陰画になっているのが面白い。とはいえ、奔放さがないぶん虚無の度合いも強く、大変苦しい読書だった。成瀬の映画はすごく面白かったような気がするが。

  • conyTM3

    桐野夏生さんの「ナニカアル」を読んで興味が湧いた林芙美子。 「放浪記」は読みづらくて途中リタイアしましたが、この作品はサクサク読めました。 敗戦の色が徐々に見え始めた頃、仕事で渡った仏印(フランス領インドシナ)で出会った男女が戦中戦後の特殊な状況下で空虚な心を埋める術として恋愛するというお話。 浮気性のしょーもない男としょーもない女がグダグダやってて途中イラつきましたが、最後の方になるとお互いのしつこさに逞しさすら覚えました。 市が提供を始めた電子図書館を初利用。

  • ochatomo

    高峰秀子さん主演の映画を観て大泣きした原作 戦中戦後の混乱を舞台に男の浮気な心情とすがる女の哀切が延々描かれ、人生に意味はないことを突きつける 著者が従軍記者として見聞したであろう南方の自然描写が彩りとなり、引用文学による格調もあって、板垣直子氏解説のとおり「芸術感情に厚みがあって、読み終わると強い迫力に捉えられる」 初出1949年「風雪」連載 底本1955年 改版2017刊 カバー装画てぬぐい“キンモクセイづくし”(かまわぬ)

  • 田中峰和

    妻がありながら常に別の女を求める富岡を愛し続けるゆき子。映画では高峰秀子が演じていたので美女のイメージだが、原作では醜女のようだ。そんな女の深情けが全編を貫いている。ベトナムでタイピストをしていたゆき子は、富岡に翻弄されながら、帰国後は離婚して、自分と再婚してもらえると彼の家を訪ねたら奥さんがいた。富岡を詰りながらも関係を続けるゆき子。義兄と不倫関係になって3年、ベトナム渡航の結果も、富岡と不倫。帰国後は米兵の愛人になって、まともな男との恋愛を諦めている。無責任でドンファンの富岡以上にゆき子にいらついた。

  • amanon

    ダメ男とダメ女によるグダグダな生態をひたすら描いた小説…というのは、あまりに安直過ぎか?とにかく富岡の煮え切らなさ、気概のなさ、女癖の悪さに一抹の嫌悪感を覚える一方、「この人とはもうダメ」という思いを幾度となく抱きながら、それでも富岡から離れることのできないゆき子に苛立ちを覚える。そしてその二人の関係に翻弄され、嫉妬にかられた挙句殺傷事件を起こしてしまう加野が何とも不憫。ただ、三人が三人とも戦争に人生を狂わされたという側面があるのも事実と言えるか。後、本書を読んでいて、有島武郎の『或る女』が想起された。

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