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トランク 林芙美子大陸小説集 中公文庫

林芙美子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122074064
ISBN 10 : 4122074061
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan

Content Description

旅を愛した林芙美子は、自身が訪れた国々を積極的に小説に描いた。庶民目線を貫いたその筆は、戦前の日本人が海の向こうの“大陸”に抱いた希望と憧れ、そして敗戦で負った傷跡を克明に写し取っている。絶筆となった「漣波」ほか欧州、ロシア、満洲を描いた小説七篇と、川端康成が単行本『漣波』に寄せた「あとがき」を収録。

【著者紹介】
林芙美子 : 1903(明治36)年、福岡県門司市生まれ。幼少より両親とともに、行商の生活を重ねて九州一円を転々とし、後に広島県尾道市に落ち着く。高等女学校在学中から文才を示し、卒業後上京して多数の作品を発表する。30年手塚緑敏と結婚、同年『放浪記』がベストセラーとなる。日中戦争が勃発した37年以降、女流の従軍作家として活躍した。終戦後、文学的生涯の頂点を迎え、『松葉牡丹』『浮雲』などの秀作を残した。51(昭和26)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 田中峰和

    戦中は戦意高揚のため、多くの作家はペン部隊として戦地に駆り出された。林芙美子もその一人。賢い作家たちにとって、この戦争がどこに向かうのかはわかっていたはずだが、時代には歯向かえなかったのだろう。タイピストとして外地に職業婦人たち、兵隊たちの性のはけ口として流れて行った女たち。戦争が終わっても幸福な暮らしが待っていたわけではない。徴兵で駆り出された男たちも不幸だった。「雨」の主人公は、生きながらえて帰国したら、既に戦死として扱われ、嫁は弟に嫁いでいた。林は統制されない時代を迎え、罪滅ぼしをしているようだ。

  • たつや

    生涯に十回、林芙美子は海外旅行をしたそうで、本書では、その旅をモチーフに六つの小説と一つの手記を収録している。林芙美子はポップで聡明な印象の読みやすい文章が特徴だ

  • mimosa

    芙美子さん自身が「観念を突き抜けて、形而上的なものを突き抜けて、私は単純に人間の心底をつかみたい気がしてる。」と言い、「何気ないデタイユを生かして書くという事が、私の小説の根底だ。人生の何処にでも、人間は息をしているといったデタイユに私は興味がある。私という作家はそのような作家だ。」という特色も、未完の女家族や漣波に十分うかがえる。と川場康成氏があとがきに述べたように、建前より本音を大事にする作者の生き様みたいなが、私たち女性を何処か勇気づけてくれるようで、読んでいて心地よく感じた。

  • emtb

    林芙美子初読み。なんとなく難しそうで敬遠していたが、「国子は子供を産むのを厭がって」という一文目でぐっと引き込まれ読んでみることにした。昭和初期の価値観や貨幣価値はわからないが、とても面白かった。煙草の箱の記述で私は現代的な紙の箱を思い浮かべていたが、金属製の箱とあり、そうか、昔は金属製だったのか、と驚き、昔の方が風情があって贅沢だなと思った。やっぱりこの時代を知らない分、本当の面白さや話の本質はわからないところが多いのかもしれないが、思っていたより読みやすかった。「運命」「雨」「幕切れ」が特によかった。

  • きょん

    林芙美子の紀行文を読んでから小説を読んだので、あの経験がこんな風に小説になるのか、というのが興味深かった。作者の言う「愛国心」がどのようなものなのかがいまいちピンと来なかったが、急逝してしまって書けなかった次回作はどんな内容だったんだろうと気になった。

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