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「心の病」の脳科学(仮)ブルーバックス

林朗子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065283639
ISBN 10 : 4065283639
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

うつ病、自閉スペクトラム症・ADHDなどの発達障害、PTSD、統合失調症、双極性障害…多くの現代人を苦しめる「心の病」は、脳のちょっとした変化から生まれます。誰にでも起こりうるこの病は、何が原因で、どのようなメカニズムで生じるのでしょうか?さまざまな角度から精神疾患の解明に挑む研究者たちが、研究の最前線をわかりやすく紹介。そのしくみから「治る病」にするための道筋まで。

目次 : 第1部 「心の病」はどこから生じるのか?(シナプスから見た精神疾患―「心を紡ぐ基本素子」から考える/ ゲノムから見た精神疾患―発症に強く関わるゲノム変異が見つかり始めた/ 脳回路と認知の仕組みから見た精神疾患―脳の「配線障害」が病を引き起こす?)/ 第2部 脳の変化が「心」にどう影響するのか?(慢性ストレスによる脳内炎症がうつ病を引き起こす?―ストレスと心と体の切っても切れない関係/ 新たに見つかった「動く遺伝因子」と精神疾患の関係―脳のゲノムの中を飛び回るLINE‐1とは/ 自閉スペクトラム症の脳内で何が起きているのか―感覚過敏、コミュニケーション障害…さまざまな症状の原因を探る/ 脳研究から見えてきた注意欠如・多動症(ADHD)の病態―最新知見から発達障害としての本態を捉える)/ 第3部 「心の病」の治癒への道筋(PTSDのトラウマ記憶を薬で消すことはできるか―認知症薬メマンチンを使った新たな治療のアプローチ/ 脳科学に基づく双極性障害の治療を目指す―躁とうつを繰り返すのはなぜか、正しく診断するにはどうすれば良いか/ ニューロフィードバックは、精神疾患の治療に応用できるか―脳活動を誘導して症状を緩和する/ ロボットで自閉スペクトラム症の人たちを支援する―人間にはできない早期診断・適切な支援が可能に/ 「神経変性疾患が治る時代」から「精神疾患が治る時代」へ―「前触れ症状」を見出して根本治療を確立する)

【著者紹介】
林(高木)朗子 : 理化学研究所脳神経科学研究センター多階層精神疾患研究チームチームリーダー。1999年、群馬大学医学部医学科卒業。同大学大学院医学系研究科に入学し、2005年に修了。博士(医学)。その後、ジョンズ・ホプキンス大学、東京大学などを経て、2019年より現職。新学術領域研究「マルチスケール精神病態の構成的理解」(2018〜2022年度)の領域代表を務める

加藤忠史 : 順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学主任教授。1988年、東京大学医学部卒業後、同附属病院にて臨床研修。滋賀医科大学附属病院精神科助手、東京大学医学部精神神経科講師などを経て、2001年、理化学研究所脳科学総合研究センター(当時)精神疾患動態研究チームチームリーダー。博士(医学)。2020年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    科研「マルチスケール精神病態の構成的理解」の研究グループの脳科学研究を12章に分け、それぞれのリーダーが基礎から理解できるように紹介している。精神疾患の原因の多くが脳に由来すると考えられているが、神経病理学的に異常は見られず、永らく謎とされてきたが、シナプスの不具合が原因と推測されている。その手法は、光遺伝学、コネクトーム、脳内炎症、ゲノム変異、転移因子LINE-1など多くのアプローチが見られるようになった。神経変性疾患が治る時代が始まったと言われる2010年代、精神疾患も解明される日も近いのだろうか。

  • ゆいまある

    最新の脳科学から精神疾患を理解し、新たな治療法を模索する試み。最先端の研究者に科学ライターがインタビューしてまとめているので難解な内容も平易な文章で書かれており理解しやすい。今のところ精神科医が症状から曖昧につけている診断名だが(実感として、医学ぽくなくて嫌だ)、ゲノム解析と画像のビッグデータを使って新たな診断を行い、遺伝子解析からオーダーメイドの薬物療法に結び付ける試みや、自閉スペクトラムの脳内で何が起こっているかなど。20年後には全く新しい疾病分類や治療法が出ていそう。読み返したい。

  • けんとまん1007

    「心」「精神」ということを、上手く表現できない自分がいる。その言葉がつく病についても、まだまだ未解明な部分が多いと思っている。その一方で、人体というところから起因するものであるとも思っている。その分野の研究に限らないが、現在進行形で少しずつ前に進んでいるのがわかる。書かれいることが理解できる部分は、そう多くないが、改めて人間というものの不思議さを考得ざるをえない。

  • チャーリブ

    公立小中学校の通常学級で発達障害の疑いのある児童生徒は8.8%、1クラスにその傾向の人が3〜4人はいる計算となります。従来は「心の病」と考えられていた発達障害や精神疾患ですが近年は脳科学の知識や技法が病気の治療や原因の分析に使われているとのこと。興味深かったのは、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは人間よりもロボットのほうがコミュニケーションを取りやすいという話。ひょっとして彼らのほうが未来適応的かもしれませんね。「パーフェクト・デイズ」の主人公を思い出しました。

  • 岡本 正行

     また読みたい。図書館で借りて詠んだが、そのうち自分で購入して読みたいと思う。内容的に、なるほどそうだったのかということもあった。特に、私には心の病を持つ娘がいる。主治医も、この病気は治らないと断言している。精神疾患が物理的な疾病であれば、手術や投薬によって治るはずではないか、医学の限界であろう。それは医学の進歩を待つしかない。私たち親子の生きている間には無理、他の病気でもそうだろう。その一端を理解させてくれるいい本であったことは確かであると思います。今頃、仮に治癒しても、普通の人間にはなれない哀しさも。

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