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チェコスロヴァキア軍団 ある義勇軍をめぐる世界史

林忠行

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000614764
ISBN 10 : 4000614762
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
林忠行 ,  

Content Description

第一次世界大戦下、ハプスブルク帝国からの新国家独立を目指して、チェコ系、スロヴァキア系移民と捕虜は、ロシアで義勇軍を編成した。この義勇軍は一九一八年春にソヴィエト政権と軍事衝突に陥り、ロシアでの内戦と日米の「シベリア出兵」の引き金となったことでも知られる。彼らは一次大戦では同胞と、独露停戦後のシベリア各地では赤軍と、二つの内戦を戦った。「未来の祖国」を希求した彼らの足跡を、世界大戦、ロシアでの革命と内戦、そしてハプスブルク帝国の崩壊をめぐる世界史のなかでダイナミックに描き出す。

目次 : プロローグ 無名戦士の墓をめぐって/ 序章 「祖国」のかたち―その土地と住民/ 第1章 義勇兵たち―ガリツィアの前線へ/ 第2章 独立運動一九一四‐一六年―未来の祖国を想像する/ 第3章 ロシア革命と軍団一九一七年―ズボロフの勝利、そして東方へ/ 第4章 反乱一九一八年―シベリア横断鉄道をめぐって/ 第5章 干渉戦争と新国家の独立―「連合国の前衛」に/ 終章 独立後の軍団―故郷への道は遠く/ エピローグ その後の軍団員たち

【著者紹介】
林忠行 : 1950年生まれ。東京都立大学法学部卒。カレル大学(プラハ)留学、一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。広島大学法学部助教授、同教授、北海道大学スラブ研究センター教授、同大学理事・副学長等を経て、京都女子大学現代社会学部教授(2014‐2020年まで学長)。専門はチェコスロヴァキア史、東欧地域研究、国際関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • MUNEKAZ

    日本ではシベリア出兵のきっかけでしか取り上げられないチェコスロバキア軍団に焦点を当てた一冊。これが結構複雑な背景を持っていて、ハプスブルク君主国内でのマイノリティの地位や独立運動、そして当然ロシア革命の余波など第一次世界大戦の孕む諸問題が、この一断面から展望することができる。特に独立運動家たちにとっては、シベリアで戦う軍団の存在は、連合国に戦後の独立承認を認めさせるために重要であったというのは興味深い。独立の英雄となった軍団兵たちも、その後の共産政権ではソ連に抵抗した反逆者に。東欧苦難の歴史である。

  • ジュンジュン

    建国神話と結びつくチェコスロヴァキア軍団の”アナバシス”を解きほぐし、軍団の足跡と新国家誕生の関係を正しく位置づけようとする。過大評価はできないが、与えた影響力も少なくない、この辺りだろうか?多民族国家ハプスブルク帝国(オーストリア=ハンガリー二重帝国)から、「国民国家」として独立したチェコスロヴァキア共和国は、半数を占めるチェコ人が優位に立つ、スロヴァキア人、ドイツ人、ハンガリー人の「小さな帝国」だった。

  • てり

    しばしば目にしたことがあった「チェコスロヴァキア軍団」という存在のことが気になり手に取る。丁寧にたどっていく解説はお気楽読者の自分にはややハードルが高かったが、終章が簡潔にまとまっていてためになった。日本軍とも接触があったんですね。

  • Fumitaka

    ロシア内戦でのチェコ軍団について、チェコスロヴァキアという新国家の建国、さらには「チェコスロヴァキア」という考え方の形成の過程に触れつつ詳述。チェコ軍団、コトキンのスターリン伝では主に俘虜から編成されたと説明されてたが創設時点では中核を担ったのはロシアのチェコ系移民だったようだ。あと「線路上の武装したチェコ人は全員銃殺せよ」というトロツキーの「愚劣な命令」(S. Kotkin, “Stalin, paradoxes of power, 1878-1928”, p. 269)の前後についても説明している。

  • あらい/にったのひと

    図書館本だけど買ってお家に置いておく方がいい本。タイトルにあるチェコスロバキア軍団、各国のシベリア出兵のトリガーになったので有名ですが、その成立から帰国までとその周辺状況からチェコスロバキア成立を描き出す本。いい本ですね。さすが岩波という感じです。著者の言う通り、ソヴィエト政府側から見た軍団という視点もよさそうなので、いずれ誰かが研究してほしいところであります。

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