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日露戦争、資金調達の戦い 新潮選書

板谷敏彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106036996
ISBN 10 : 4106036991
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「戦費調達」の絶対使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五。彼らを待ち受けていたのは、金本位制を元に為替レースを安定させ急速に進化した20世紀初頭の国際金融市場であった。未だ二流の日本国債発行を二人はいかに可能にしたのか?当時の証券価格の動きをたどることで外債募集譚を詳細に再現し、全く新たな日露戦争像を示す―金融版「坂の上の雲」。

目次 : 第1章 高橋是清と深井英五/ 第2章 二〇世紀初頭の金融環境/ 第3章 日露開戦/ 第4章 高橋の手帳から見る外債募集談/ 第5章 戦況と証券価格/ 第6章 戦後と南満洲鉄道/ エピローグ 日露戦争のその後

【著者紹介】
板谷敏彦 : 1955年、西宮市生まれ。関西学院大学経済学部卒業。石川島播磨重工業を経て証券業界へ。日興証券にてNYに6年間駐在。その後、ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン等でマネージング・ディレクター、みずほ証券で株式本部営業統括に就く。2006年、投資顧問会社のルート・アセット・マネジメント株式会社を設立、同社代表取締役に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • えちぜんや よーた

    旅順要塞がなかなか陥落しない。戦線が膠着すると軍事費がかさむ。そして国庫からゴールドが流出する…。そんなとき政府からつめられるのは乃木将軍ではなく、だるまさん(高橋是清)。 NHKで放映された「経世済民の男」ではオダギリさんがドラマッチクに軍資金を集めていたような感じがしたけど、じつは英、米、仏、独の銀行家たちに転がされていたことがよく分かった。

  • kawa

    良書。高橋是清氏らによる日露戦の戦費調達のための外債発行の実態を詳述。資金調達のキーパーソンとなったユダヤ人銀行家ヤコブ(ジェイコブ)・シフ氏は、言われているロシアでの反ユダヤ主義(ポグロム)に対する報復としてより、途上国への純投資、経済行為の一貫として外債引き受けを行った。実際にも当初は不人気ながら戦況の進展もあって人気化、国内では条件が甘すぎたと高橋らが批判されたと言う。喧伝されている内容と異なる実態が面白い。彼の功績は何次にも渡る発行を成功させた多方面へのリレーション構築にある等、興味深い項目多数。

  • seki

    幸田真音氏の小説「天祐なり」では、かなり高橋是清が美化されていたが、本書では、当時の記録が客観的に示され、日露戦争資金のための外国での国債発行の成功が、かなり偶然に左右されていたと知る。しかしながら、高橋是清の肝の据わり方は半端なく、高橋氏がいなければ、海外での国債発行など成功しなかっただろう。また、本書は金融史としても、非常に面白く、JPモルガンやゴールドマンサックスがこの頃から活躍していたのだと知り、私的には、そんなところもツボだった。

  • かんがく

    著者は歴史家ではないが、高橋是清の自伝と数値データを中心に、日露戦争時の国際金融について詳細に書かれている。単なる日本とロシアの戦争でなく、列強の思惑が深く絡まりあっていることがよくわかる。グラフも豊富なので、数値で日露両国の国際評価の変動が理解できた。新聞などのメディアの普及も、戦争や講和の趨勢に大きく影響を与えるようになっており、第0次世界大戦と呼ばれるのも納得できる戦争である。

  • エリナ松岡

    最近金融物に集中して読んでるんですが、ウォール街関連はやや食傷気味だったこともあり、異色とも言えるこの本は素直に有り難かったです。分厚いんで読み切れるか心配ではあったんですが、なんとか読了しました。皆さんのレビューにある通り、内容的には申し分なく非常に上手くまとめてあると思います。しかしまぁ、戦争に対する冷めた視点がすごいというか、これが投資家的な視点なのか、と読みながらずっと考えていました。

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