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独裁者のデザイン ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東の手法

松田行正

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582620689
ISBN 10 : 458262068X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2019
Japan

Content Description

現在も世界には相変わらず独裁者予備軍と覚しき政治家たちが跋扈しています。その多くは「自国エゴイズム」と「差別」を煽ることで権力維持を図ります。彼らは、かつてのヒトラーら独裁者たちが用いた巧妙な手法をそのまま踏襲しているかのような印象です。いわば「気づかずに乗せる」です。そこで本書では、かれら独裁者の手法をデザイン的に分析し、姑息な手段を見抜く眼を養おう、ということを目的にします。

「独裁」の基本は、国民の「監視」と、国民に気づかれずに「プロパガンダを浸透させる」ことです。しかし現代では、デジタル革命、インターネットの発達などで、このどちらも、彼ら独裁者が暴れた時代よりもはるかに容易に実行できるようになってしまいました。やはりなんでも「見抜く眼」は重要なのです。

本書の小口からは、スターリンと毛沢東が覗いています。彼らの意図を、みごと見抜いてみてください。


 (目次)

 はじめに
 Chapter1 呪力のある視線
 Chapter2 燃える視線
 Chapter3 拒否する視線
 Chapter4 遠望する視線
 Chapter5 反復する視線
 Chapter6 記憶する視線
 付録 ナチ・ポスターを描いたイラストレーターたち
 おわりに/引用リスト/参考文献

【著者紹介】
松田行正 : 1948年静岡県生まれ。中央大学法学部卒業。グラフィック・デザイナー。デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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独裁の基本は、国民の監視と国民に気づかれ...

投稿日:2021/02/23 (火)

独裁の基本は、国民の監視と国民に気づかれずにプロパガンダを浸透させること。 現代では、デジタル技術、ネットの発達により、昔より遥かに簡単にできるようになった。 この本は、20世紀の独裁者たちの手法やデザインを、現代の視点で分析した本。

Joe さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    著者には『RED』というナチスのデザインに特化した名著がある。本書はその流れを汲み、その範囲をヒトラーのみならず、ムッソリーニやスターリン、毛沢東という独裁者全般まで拡大した一冊。とはいえデザイン性宣伝性についてはナチスが卓越しているので、残りの三人特にムッソリーニについては影が薄くなっている。現に本書の大部分はやはりナチスについてだしね。とはいえ党内抗争で権力を握ったスターリンや毛沢東についてもわずかな手掛かりを元にその意図を明らかにする部分は読みごたえがある。個人的には文革に関する部分が面白いかな。

  • マエダ

    本書はヒトラーを筆頭にムッソリーニ、スターリン、毛沢東らがプロパガンダを駆使してどのように大衆を魅了したのかをデザインの視点から見直そうとしている。「デザイン」とは一方で人の心を奮わせ元気にし、他方で魂胆を隠し綺麗事に見せつつ人を傷つけることもできる。興味深い1冊であった。

  • あの手この手で人身収攬を試みる独裁者たち。デザインにもさまざまな工夫が見られる。通底するテーマとして「視線」を持ち出してはいるがややまとまりに欠ける印象。写真や図は豊富で面白いので、図鑑として出した方が良かったのではとも思ってしまう。装丁が秀逸で、部屋に置いておきたい一冊。

  • くさてる

    独裁国家における、ポスター、チラシ、建築のデザイン。プロパガンダとして利用されてきたそれを解説した内容。著者の語り口は広いけれど、そのぶんまとまりにかけるかもしれない。でも、それが確固としたかたちを持たない人の意思の表れとしてのプロパガンダを語るためには有効な方法かもと思った。

  • パトラッシュ

    血統でなく実力で権力を握った独裁者は民衆を抑圧し自分を支持させるためプロパガンダを駆使する。20世紀の四大独裁者ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東がいかに自らの支配者のイメージを作り上げていったかを、宣伝のデザインから分析していく。掲載写真には見覚えのあるものも多いが、それらがどのように形成されシンボルである四人の視線、微笑、凡庸さなどが様々に加工されたり、美術家やデザイナーなどの才能を使って歴史上のアイコンとなるまでに広まったかを紐解く過程は実にスリリングだ。政治家志望者は読んでおいて損はない。

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