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前衛音楽入門

松村正人

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784909483133
ISBN 10 : 4909483136
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2019
Japan

Content Description

“アヴァンギャルド”とはなんだったのか!?
音楽の限界をめぐる20世紀の冒険
その後ポップ・ミュージックに応用される“前衛”から“実験”へのクロニクル

アヴァンギャルド・ミュージックとはいったいなんなのか!?
それはなんのために生まれ、そして何を遂げて、いまもなぜ重要であるのか?

長年、前衛音楽/実験音楽を取材し、論じ、考察してきた松村正人が書き下ろす、決定的な入門書!
しかも松村初の単著、満を持しての刊行!


松村正人(まつむら・まさと)
1972年、奄美生まれ。1999年より雑誌『STUDIO VOICE』編集部で音楽を担当。
2007年に『Tokion』編集長を、2009年4月号から休刊した09年9月号まで『STUDIO VOICE』編集長をつとめた。
現在 ele-king をはじめ、各所で精力的に執筆と編集を続ける。"

"目次

序 「前衛」の「共有」
一 「前提」の「共有」
二 「前衛」の「前提」

T 前衛音楽はゆっくりと悩めるように──一九世紀末から二〇世紀初頭の作曲家たち
サティ、ドビュッシー
一 窓の外の印象派
二 再帰するサティ
三 ふたたび“再帰するサティ”
四 音響計測者のデザイン
五 おまけにもうひとつ

U 無調の世界
シェーンベルクと新ウィーン楽派
一 「a」は最初の一歩
二 その前夜
三 そして当夜
四 表現主義的な、あまりに表現主義的な
五 十二の使徒たち

V アメリカの録音(アメリカン・レコーディングス)──記録と再生
チャールズ・アイヴズ、ヘンリー・カウエル、ルー・ハリソン、ハリー・パーチ
一 ローマックスとバルトーク
二 多調多根〜多調
三 多調多根〜多根

W 教師と教え子
オリヴィエ・メシアンとピエール・ブーレーズ、ヤニス・クセナキス
一 教師メシアン、二〇世紀の多面
二 教え子ブーレーズ、二〇世紀の結晶
三 教え子クセナキス、二〇世紀の建築

X 電子の歌
カールハインツ・シュトックハウゼン、ピエール・シェフェールとミュジーク・コンクレートの音楽家たち
一 電子の夜明け
二 具体の音楽(ミュジーク・コンクレート)
三 電子の音楽(エレクトロニック・ミュージック)

Y 実験の誕生
ジョン・ケージと実験音楽
一 からっぽの世界
二 打楽器というノイズ・マシーン
三 ピアノを準備せよ
四 エレクトロ・アコースティックな心象風景(イマジナリー・ランドスケープ)
五 チャンス・オア・インディターミナシー 〜偶然性か不確定性か

Z 不自然な即興
レニー・トリスターノ、オーネット・コールマンとフリー・ジャズ、デレク・ベイリーとフリー・インプロヴィゼーション
一 JAZZ
二 第三の波
三 ジャズの前衛革命
四 アウトサイダーのアウトオブキー
五 散種する前衛
六 純粋な即興
七 不自然な即興

[ ミニマリズムとその周縁
テリー・ライリー、ラ・モンテ・ヤング、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラス
一 調性と持続
二 位相と加算

\ 譜面から録音物へ
サンプリングと音響派、九〇年代エレクトロニック・ミュージックと前衛音楽との関係
一 ポスト・エクスペリメンタル
二 デイヴィッド・グラブスとの対話
三 思考のサンプリング
四 「音響」の「前提」
五 前衛と実験の再生(リサイクル)
六 さようなら二〇世紀

あとがき
参考音源
参考文献"

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Book Meter Reviews

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  • 1959のコールマン

    ☆4。前衛音楽入門と表題にあるが、クラシックの現代音楽に話を限定していない。ポピュラーミュージックが話の流れでいきなり出てくるし、Z章ではジャズ中心。まあ、シリアスミュージックと言いながら、大衆音楽との接点、交流が全くないわけじゃ無いから、この文構成には好感が持てる。ただ、内容としては、東ヨーロッパの前衛音楽(ペンデレツキなどポーランド楽派とか)がざっくり抜けているのが不満(よって減点)。なお、ハードルは中くらいと言った印象。イラストや音源がないと分かりづらい所はネットで解決して読むといいだろう。

  • Schunag

    フリージャズ以外は作曲者/演奏者の名前こそ知ってはいても未聴・未踏の分野ですが(あるいはそれゆえになお)とてもスリリングで面白い一冊でした。まずはシュトックハウゼンとミュジーク・コンクレートに興味をそそられたので、そこから掘っていきたいと思います。なお装幀もすばらしく、実はふらりと入った本屋さんでジャケ買いしたのでした。

  • さえきかずひこ

    20世紀初頭にクラシック音楽のコンテクストに生まれたアバンギャルドの精神は、むしろ70年代以降大衆音楽において顕在化したとする冒険的な立論で読んでいてたいへん刺激的である。同時期に読んでいた近藤譲『ものがたり西洋音楽史』では、70年代以降の"前衛音楽"については触れていなかったが、本書と合わせて読むことで、音楽の歴史についての重層的な視点が得られるのではないかと感じた。近藤と筆者では25歳の歳の開きがあり、そもそも立場も異なるのだが、読者には彼らの物語よりも、より自由な歴史の捉え方が許されているだろう。

  • owlsoul

    音楽とは何か。調性(トーナリティ)という概念は、音楽に協和・不協和、つまり正しい音と間違った音という序列を生み出した。しかし、そんな常識に納まらない作家たちは様々な形で既成概念に挑戦し続ける。不協和音の使用に始まり、楽器の改変・創作、環境音やノイズの音楽化、テクノロジーによる実験の数々。しまいには「演奏しない」という行為までもが音楽表現として提示される。デュシャンの『泉』(便器)のような事件が、音楽の世界でも起こっていたのは面白い。ケージとシュトックハウゼンぐらいしか知らない私にとっては難しい入門書だった

  • kentaro mori

    めちゃくちゃ面白かった!かなり知っていると思っていたフィールドだが、まだまだ知らないことが多い(例えばドビュッシーがすでにしてケージ的なものを孕んでいた)ことを思い知ったし、また聴いてみようと思わせてくれた。⚫️前衛音楽を思考することは同時に、システムに雲散霧消したかにみえる音楽の原理を考えることでもあるからである。原理を問うとは、なぜこの音楽はこのようなかたちをしているのか、そのかたちはどのように生成し動くのか、私たちはなにを聴き、そもそも音楽とは、聴くとはなにか―そのようなことを考えることでもある。

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