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ISBN 10 : 4991319412
Content Description
戦後映像芸術アーカイブは、戦後日本における非商業的な映画作品と資料をデジタル化して、研究者および美術館・映画祭などへ提供するNPO法人です。当法人は、この度、映画監督・映像作家として知られる松本俊夫の著作集成シリーズ第二巻にあたる『松本俊夫著作集成II』を刊行することになりました。
1960年代末、「映像芸術の会」の運動が終わりに向かう一方で、草月アートセンターによってアンダーグラウンド映画を始めとした新しい芸術の動きが紹介され、映画の変革は最高潮に達しようとしていた。松本はこの動向を結集すべく雑誌『季刊フィルム』の創刊に参画したほか、『つぶれかかった右眼のために』(1968年)や、初の劇映画『薔薇の葬列』(1969年)、万博せんい館の『スペース・プロジェクション・アコ』(1970年)といった作品に、越境的に取り組んでゆく。本書は1966年から1971年までの期間に書かれた松本の著作をほぼ網羅したものであり、第二著作集『表現の世界』と第三著作集『映画の変革』、第四著作集『幻視の美学』にも再録されたテクスト52本の初出に、著作集未収録のテクスト71本を加えた計123本を収録している。本書は1960年代後半の前衛芸術の展開を、松本の言説を通して明らかにするものであるといえる。
「私の過去六冊の評論集と、単行本には掲載されていない多量の発掘文を混ぜ合わせて、それらを編年史的に目次化したのがこの著作集成(全四巻)である。著者としてはここから視座の広域化や多層化が浮上し、各種の関係レベルでの新発見が、多角的かつ活発に生まれてくることを期待してやまない。」────松本俊夫
【著者紹介】
松本俊夫 : 1932年生まれ、2017年没。映画監督・映像作家。東京大学文学部美学美術史科を卒業後、新理研映画に入社し、実験工房のメンバーを起用してPR映画『銀輪』(1956)を演出。その後、教育映画作家協会(記録映画作家協会)に入会し、機関誌『記録映画』において前衛記録映画の理論を展開させ、その実践として『西陣』(1961)、『石の詩』(1963)などの記録映画を演出する。やがて作家協会内部の対立を経て、1964年には映像芸術の会を発足させ、同時代の作家らとともに映画運動を組織してゆく。1968年には同人としてフィルムアート社の設立に参加し、『季刊フィルム』を刊行するなど、越境的な芸術の動向に影響を与える。1980年以降は、九州芸術工科大学、京都造形芸術大学、日本大学などで教鞭を執り、後進の指導にも努めた。最終作はオムニバス映画『蟷螂の斧』(2009−2012)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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