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バチカン近現代史 中公新書

松本佐保

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121022219
ISBN 10 : 4121022211
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

フランス革命以降、「政教分離」を推進する近代国家の登場で、ローマ教皇は領土や権威を失っていく。20世紀に入り、教皇はイタリア政治に介入し続け、ムッソリーニの思惑もあり、バチカン市国が成立する。その後バチカンは、「反宗教」の共産主義を常に敵視。ナチスに秋波を送り、戦後は米国に接近、「人権外交」を繰り広げ、それは「東欧革命」に繋がった。本書は、カトリック総本山バチカンの生き残りを賭けた200年を描く。

目次 : 序章 前近代のバチカン―起源から一七世紀まで/ 第1章 フランス革命の衝撃―超保守主義の台頭/ 第2章 ピウス9世の近代化政策と“豹変”―イタリア王国統一への抵抗/ 第3章 イタリア政治への介入―第一次世界大戦下の多角外交/ 第4章 ムッソリーニ、ヒトラーへの傾斜―バチカン市国成立と第二次世界大戦/ 第5章 ピウス12世の反共産主義―冷戦下、米国への接近/ 第6章 第二バチカン公会議―他宗教との和解と対共産主義・無神論/ 第7章 独自の対共産圏外交の追求―パウロ6世の意図/ 第8章 ポーランド人教皇の挑戦―ベルリンの壁崩壊までの道程/ 第9章 グローバル時代の教皇―宗教・民族紛争への介入/ 終章 バチカンと国際政治

【著者紹介】
松本佐保 : 1965年神戸市生まれ。88年聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。90年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。97年英国ウォーリック大学社会史研究所博士課程修了。Ph.D.取得。その間イタリア政府給費留学生としてローマのリソルジメント研究所に研究員として滞在。現在、名古屋市立大学人文社会学部教授。専攻は国際関係史(イギリス、イタリア、バチカン政治・外交・文化史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 南北

    ローマ教皇の下で独自の影響力を持つバチカンの近現代史がいかにヨーロッパの歴史と関わってきたかがわかる本である。世界中に12億人の信者を擁するカトリック信徒の影響力は一見非力に見えるが、粘り強い交渉によってナチスや共産主義との妥協をしながら自分たちの主張を巧みに受け入れさせてきた。ただフランシスコ教皇が中国共産党と妥協したり、ウクライナ紛争でウクライナへの妥協を図るべきとする発言などは危うさを感じてしまう。また神父による児童への性的虐待問題も根本的には解決していないように見える。

  • penguin-blue

    『教皇庁の陰謀』というのは中性かルネサンスの事だと思っていた。この本は人々の精神や生きる意味を大きく変えたフランス革命に始まり、宗教が人生の中心だった時代からだんだんと政教分離、個人主義へと動いていく中で、ローマ教皇庁が自身の主張を守りつつ、粘り強く外交交渉を続けながらどう政治力を発揮し、世界の政治にかかわり続けてきたかを描く。領土は全盛期に比べると極端に小さくなったものの、21世紀の現代でも影響力は無視できず、だからこそ各国ともバチカン外交を重視するのが分かるし、特に東欧革命に果たした役割は興味深い。

  • かふ

    コンクラーベの興味から。新教皇が決まったがトランプとの対抗よりも柔和なのだと思った。ヨーロッパや第三世界の教皇が候補になりながら、突然アメリカの教皇になったのは『教皇選挙』を見るようだった。気になるのは同性愛を許さないなどの極めて保守的なのだが、もともとカトリックは保守的なのであって驚くべきことではないのかもしれない。レオ13世の記事もあり興味を引かれた。ちょうど今のような過渡期でそのあとにファシスト政権に肩入れが始まる。反共産主義なのだが、レオ13世の時にジョルダーノ・ブルーノの銅像が建てられた。

  • Koning

    フランス革命からこちら、バチカンと世俗とのかかわり合いというか、近現代と如何にもがいてきたかという一冊。教皇フランシスコまでしっかり入っているのだけれど、19世紀のあがきっぷりとかファシストやナチとの共闘も結局は反共という1点に絞られたりとか読める。特にイタリア統一とバチカンの関係は時の教皇の方針と枢機卿達の思惑とも相まって実にスリリングな感じがよろしいです。第二バチカン公会議も世俗側というか政治的な側面からの視点もあってその辺は考えさせられる所かと。

  • Nobu A

    松本佐保先生著書3冊目。世界史=宗教史とほぼ言えると確信。いや、宗教の造詣なしに世界史や国際関係の理解は困難。松本著書は逆時系列に読んできたが、本著はバチカンの歴史を概観。小説・映画「ダ・ビィンチ・コード」で一躍注目を浴びた国土面積世界最小の国、カトリック教会の総本山。共産党一党独裁国家、中国、ベトナム、北朝鮮とは距離を置く。米史上二人目のカトリック系バイデン大統領が中国らとどのような外交を行うか想像し易い。一読では内容を具には掴めなかったが、面白かった。トム・ハンクス主演の名作をもう一度観てみよう。

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