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火山のふもとで 新潮文庫

松家仁之

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101055718
ISBN 10 : 4101055718
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2025
Japan

Content Description

ぼくが入社した村井設計事務所は、ひと夏の間、北浅間の「夏の家」へ事務所を移動する。そこでは稀有な感性をもつ先生のもと、国立現代図書館の設計コンペに向けての作業が行われていた。もの静かだけれど情熱的な先生の下で働く喜びと、胸に秘めた恋。そして大詰めに迫った中で訪れる劇的な結末。ただ夏が過ぎても物語は終わらなかった。かけがえのない記憶と生命の瞬きを綴る鮮烈なデビュー作。

【著者紹介】
松家仁之 : 1958(昭和33)年、東京生れ。編集者を経て、2012(平成24)年、長篇小説『火山のふもとで』を発表。同作で読売文学賞小説賞受賞。’17年『光の犬』(河合隼雄物語賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さぜん

    読書会課題本。尊敬する先生の建築設計事務所で働くことになった青年の青春物語。同時に、建築の哲学や美学を描く芸術的小説でもある。軽井沢の夏の家で図書館設計コンペの作業に励む所員達の情熱や、密かに芽生える恋、こだわりのある食事風景と、ディテールに拘った文章に引き込まれる。80年代のブルジョワ感が漂よい。最初はちょっと鼻についたが、次第にその品の良さが心地よくなっていく。図書館の設計の過程が興味深く、建築って建物だけでなく、人の気持ちや動きを理解しないといけないのだと思った。文章表現が美しく気持ちの良い読後感。

  • アーちゃん

    2012年単行本、2024年文庫化。著者デビュー作。1982年「ぼく」が入所した設計事務所は毎年7月に「夏の家」へ仕事場を移動する。”「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。”から始まるこの作品は国立現代図書館へのコンペという作業目標はあれど、淡々とむしろ静謐な雰囲気をかもす癖のない文章で事務所とぼくとの関わりや浅間山のふもとの自然情景を描いている。吉村順三という建築家が「先生」のモデルという事で、建築物や折り畳み椅子の写真をネットで見ながら読了。時間をかける甲斐のある良作。

  • niisun

    実在した建築家“吉村順三”にインスピレーションを得て描かれた小説。丹下や黒川のような派手さはなく、シンプルで機能的な住宅建築という印象を持つ建築家です。似たような仕事をしているので、設計事務所で展開される設計作業やコンペの準備は興味深く読めました。作中で度々登場するスウェーデンの建築家“アスプルンド”。10年程前に陸前高田の復興祈念公園の計画をつくった際、アスプルンドの“森の墓地”を参考事例の一つに取り上げたこと、最終的には有識者委員の一人だった建築家の内藤氏発案のデザインが採用されたことを思い出すなぁ。

  • piro

    建築家というプロフェッショナルの真摯な想いが感じられる良作。夏から冬、浅間山麓の移ろう季節の美しさの中、駆け出しの建築家・坂西徹の視点で描かれる物語は、淡々としていながら濃密で、決して退屈ではない。そして麻里子と雪子、二人の女性との距離感はもどかしくもあり、微笑ましくもある。全編を通じて豊潤な時を感じる心地良い作品でした。コンペに向けて張り切る所員の静かな熱量に心打たれる。そして作中で語られる北欧の建築に心惹かれます。いつか訪れてみたいなぁ。

  • ゆきらぱ

    4日前、仕事が休みだったので歯医者さんの帰りに本屋さんへ寄りぐるぐるぐるぐる🌀何か無いかなーと探していた時に出会えた小説。本屋さんの棚を見渡してこのような素晴らしい本を見つけられるのは人生の悦びです。一行一行に特別な感がありました。

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