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沈むフランシス

松家仁之

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103328124
ISBN 10 : 4103328126
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2013
Japan

Content Description

森をつらぬいて流れる川は、どこから来てどこへ向かうのか──。

北海道の小さな村を郵便配達車でめぐる女。川のほとりの木造家屋に「フランシス」とともに暮らす男。
小麦畑を撫でる風、結晶のまま落ちてくる雪、凍土の下を流れる水、黒曜石に刻まれた太古の記憶、からだをふれあうことでしかもたらされない安息と畏れ。
――五官のすべてがひらかれてゆくような深く鮮やかな恋愛小説。

松家仁之(マツイエ・マサシ)
1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て、2012年、長篇小説『火山のふもとで』でデビュー。2013年、同作により読売文学賞受賞。編著に新潮クレスト・ブックス短篇小説ベスト・コレクション『美しい子ども』がある。

【著者紹介】
松家仁之 : 1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て、2012年、長篇小説『火山のふもとで』を発表(第64回読売文学賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • いつでも母さん

    なにこれ〜!もうカバーの写真から伝わって来たものとは全く違うものだった。北海道の自然と様々な『音』の描写が素晴らしい。しかしながら、私はこの撫養桂子と寺富野和彦には同化も共感も出来なかった。田舎にありがちな狭い世間の好奇の眼に嫌悪を抱いていてもだ。それよりも、目の見えなくなった一人暮らしの老婦人・御法川さんが良い。「消えたものは、かたちを失うことで、いつまでも残るのよ。わたしに見えるのはそういうもの」この言葉がラストの情景とタイトルに響いて心に残るのだった。

  • おしゃべりメガネ

    お気に入り読友さんからのオススメ作品でした。装丁の犬とタイトルだけでも、十分に引き寄せられてしまいますが、素晴らしい内容でした。とにかく情景描写が抜群で、北海道のとある町(村)の移りゆく四季の素晴らしさを見事に書き綴っています。どこかアンニュイな雰囲気の伝わる郵便配達員「桂子」とミステリアスな「和彦」との、静かながらも、深くアツいステキすぎる恋愛小説です。タイトルの意味がわかった時のなんとも言えないキモチも印象的で、「和彦」と時を過ごしながらも、あらゆる葛藤を持ち続ける「桂子」の心理描写も秀逸でした。

  • おしゃべりメガネ

    6年ぶりの再読です。独特な世界観、文章はやはり読む側を見事に惹き付けてくれますね。北海道は道東のとある小さな町で郵便配達をしている「桂子」は配達の途中でミステリアスな雰囲気の「和彦」に出会います。逢瀬を重ねるごとにどんどん彼に惹かれていきますが、彼は謎が多く不安は募るばかり。そんな彼は小型の発電所の管理を任されており、その発電所こそ名は『フランシス』といい、彼はその発電所に対し異様な執着をみせています。惹かれていく中で彼には少し変わった癖があるコトがわかり、そのコトで彼女は悩みながらも彼から離れません。

  • ナイスネイチャ

    図書館本。音の表現が素晴らしいですね。盲目の女性の不思議な会話は面白かったです。ただ性描写は必要だったかな?

  • おくちゃん👶柳緑花紅

    読み終えて、暫くはその余韻に浸る。五感の全てがひらかれる深く鮮やかな恋愛小説と帯にあるが、私は目を閉じて作品を読んだような気がしている。心が音や光や風や空気や雨や雪をそして彼を、彼の体温、彼の匂いを感じ、その全てを見ているように。とても酔わされた。性描写さえも美しい。お料理もその温度、香り、食感、迄もが届き美味しそうだった。「火山のふもとで」も是非読みたい。

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