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出雲神話 講談社学術文庫

松前健

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065369111
ISBN 10 : 4065369118
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

国引き、八岐大蛇、国譲りなど、日本神話では最も重要な舞台であるにもかかわらず、大和朝廷に対抗したという出雲国の実態は未だ明らかになっていない。比較神話学、民俗学、宗教学、歴史学などの様々な知見からなる議論をまとめ、記紀や風土記、神賀詞などの資料を読み解き、出雲神話の虚像と実像を浮かび上がらせる最良の入門書!(解説・三浦佑之)

【本書で扱うトピック】
八岐大蛇の神話にはどのような意味があるか?
なぜ、記紀と風土記の内容は、大きく異なるか?
大和朝廷と出雲国は、実際に敵対関係にあったか?
なぜ、出雲は死者や他界と結びつけられてきたか?
いかにして、オオクニヌシは国家的英雄神となったか?
なぜ、古代出雲は宗教王国だったといえるか?

【目次】
まえがき
1 出雲神話の謎
2 二つの出雲神話
3 出雲国造家の台頭と自家の売りこみ
4 スサノオの神話
5 オオナムチの神話
6 国譲り神話と諸氏族
7 出雲土着の神々
参考文献
解説

【著者紹介】
松前健 : 1922‐2002年。國學院大學文学部卒業、同大学大学院修士課程修了。天理大学、立命館大学、奈良大学等で教授職を歴任。専攻は神話学、宗教学。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ポチ

    1976年では古代出雲が宗教王国と呼ばれていた、という見方もあったのですね。現在ではその後の大発見により新たな解釈もありそう。大和朝廷との関係など深い洞察は面白かった。

  • わたなべよしお

     記紀と出雲風土記。とても魅力的な題材だが、残念ながら読んでいると「だろう」「であろう」が連発されて要は推定の繰り返しになっている。推定の土台の上にさらに推定が重ねられる。どこかが崩れると、全てが瓦解する危うさだ。この本のように真面目に論じられると、むしろ、本当に学問足りうるのか、と疑問を感じてしまう。文句ばかりだが、とても興味があるテーマだし、千葉大にいた三浦佑之先生の本なんかは好きなんだけどなあ。どうせ、事実はわからないのだし、もっと気楽に書いてくれる方が良かったかな。

  • さとうしん

    出雲と大和を対立する勢力として見ないというのが新鮮。国譲り神話が出雲国内の状況の反映で、元々の伝承は大社の鎮座縁起であるというのも面白い。ただ、出雲が「宗教王国」であるというの議論はいまひとつピンと来ないが、あの時代の倭に中国でいえば三国志に出てくる張魯の五斗米道のような勢力があったのだろうか?また神話上で不本意な書かれ方を押しつけられたアメノホヒの後裔を称する出雲国造氏らはそれで納得したのだろうか?

  • なーちゃま

    元々は1976年に出版されたものとのことなので、神庭荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡の大量の銅剣・銅鐸の発見や、出雲大社の巨大柱の跡が発見されて以降の新時代の出雲研究とは異なる見方である。今は出雲はやはり政治の一大勢力だという見方が優勢なのかな?勉強したい。そもそも著者の「虚像の出雲神話」という考え方は、「出雲に政治の一大勢力があったという考古学的証拠はない」という点から出発しているので、考古学的発見があればまた話が変わってくるのは当然のこと。それにしても論証して考えを巡らせていく過程は本当に面白かった!

  • なーちゃま

    あまりにも面白すぎて無我夢中で読んでしまった。出雲旅行を経た後だと感動も一入。まず、よく言われるような「出雲=ヤマト政権と対立する一大政治勢力」と見なす考え方に対し、「出雲=シャーマニズムの本拠地であり、巫覡の徒のセンター」と捉える見方から出発する。その上で、出雲の価値を無視できなくなった朝廷は後に建国神話を編む際に、出雲の(元は紀伊の須佐の)豊穣神であったスサノオを天照大神の弟の格に設置した。そのため、原像としての出雲神話と虚像(建国神話でスサノオが大暴れするような)の出雲神話の2つが出来上がった。

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