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二枚目 並木拍子郎種取帳

松井今朝子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784758432412
ISBN 10 : 4758432414
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2006
Japan

Content Description

人気狂言作者・並木五瓶の弟子拍子郎は、今日も“町のうわさ”を集め、師匠のうちにやって来た。材木問屋の祟り、芝居小屋での娘の神隠し事件、吉原の女郎あがりと大店に勤める手代の心中事件…。拍子郎は遭遇する事件の真相を、五瓶とその妻の小でん、料理茶屋のおあさ、北町奉行所に勤めている兄を巻き込んで、次々と明らかにしていく。江戸に生きる男と女の心の機微が織りなす、粋で心優しい捕物帳の傑作シリーズ第二弾。

【著者紹介】
松井今朝子 : 1953年、京都祇園生まれ。早稲田大学大学院演劇学修士課程修了後、松竹に入社。歌舞伎の企画・製作に携わる。97年『東洲しゃらくさし』で作家デビュー、『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤枝梅安

    まず文章に納得させられる。良く練られ、衒いがなく上品。それでいて、馥郁たる江戸の情緒が伝わってくる。酸いも甘いも噛み分けた熟練の技に、読者はすんなりと身を委ねることができる。高田郁作品のまっすぐな感動と、田牧大和作品の凝った構成は、それぞれ行き過ぎるとクドクなる危うさを孕むが、松井作品は、人の強さ・弱さ、動かざるものと移ろうものを織り交ぜ、人間の生活の意味を読者に考えさせる「のりしろ」も用意している。五瓶と妻の理屈抜きの絆を現代人は理解できないが、「そういうものだよ」とつぶやく暖かな視線が感じられる。

  • kaoru

    主要キャラが掘り下げられてたり、男女の機微が描かれてたりと前作にない良さがあります。ただ、その分ちょっと重めかも。また、前作同様、江戸時代の風俗が描かれていて、特に食べ物が美味しそうです。

  • onasu

    定町廻り同心筧家の部屋住み、拍子郎が狂言作者の並木五瓶に弟子入りして、早1年。芝居のネタになりそうな話しを拾ってこい、との言い付けは中々巧くは運ばないが、昨年末の小屋前での大立ち回りでは芝居小屋の者に顔を知られ、一端の関係者にはなってきた。  そんな拍子郎に持ち込まれた話しから始まる五編は、五瓶からの依頼もあったりで、ちょいとは頭数に入れられてきたよう。兄弟子からも小屋での仕事を任され順調かと思いきや、芝居茶屋の娘おあさとはさっぱりで、五瓶夫婦にはひと波乱。再読でも、続きが楽しみになる二巻目でした。

  • onasu

    狂言作者並木五瓶に弟子入りした拍子郎の市井でのネタ探しの二巻目。   馳走の並ぶ夕べとなると「ちと、面白い話が」と現れる拍子郎だが、その定番は早くも三話目で崩しての後、謎解きの舞台、師匠の離れも危うきに。それに合わせて拍子郎とおあさの仲も怪しくさせるとは、何とも不穏。  町奉行所同心の次男で、素性としても、うぶでやや堅物という、芝居町界隈とはある意味正反対の者を持ってきて、師匠が見守ってくれているのかと思っていたら…。  さてさて次巻は、和やかな離れが戻るのか、そして、拍子郎の役目、おあさとの仲は如何に。

  • タツ フカガワ

    今回も大店での崇り話や芝居小屋での神隠し、不可解な殺人事件などミステリー仕立てに進むけれど、事件に絡む人間の業や男女の情愛がさりげなく描かれる。そのバランスがとてもいい。それにシリーズ2作目となって種取役の拍子カ、師匠の並木五瓶、料理茶屋の男勝りの娘おあさのキャラクターが際立ってきた。なかでも「見出人」でのおあさ坊が切ないなあと思いつつ、3作目に進みます。

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