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乱世の天皇 観応の擾乱から応仁の乱まで

東京堂出版

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784490210354
ISBN 10 : 4490210353
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

天皇権威を復活させた足利義教、天皇から叱責された足利義政、そして、最期まで戦い抜いた後花園。室町・戦国時代における天皇家の頽廃と、そこからの奇跡の再生への軌跡を明らかにした意欲作。

目次 : 天皇存続のキーパーソン後花園天皇/ 第1部 分裂する天皇家(天皇家の分立/ 南北朝内乱/ 後小松院政の展開)/ 第2部 後花園天皇の登場(後花園天皇の践祚まで/ 後小松院政下の後花園天皇)/ 第3部 後花園親政(後花園天皇と足利義教/ 戦う後花園天皇/ 後花園天皇の時代の海域アジア)/ 第4部 後花園院政(後花園院政の開始/ 応仁の乱と後花園法皇)/ 後花園の子孫たち―天皇はなぜ生き残ったのか

【著者紹介】
秦野裕介 : 1966年京都府生まれ。1990年立命館大学文学部卒業。1995年立命館大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。立命館アジア太平洋大学非常勤講師などを経て、現在、立命館大学授業担当講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Toska

    足利義政の下で迷走する室町幕府を尻目に、孤高を保った名君と見られることの多い後花園天皇が本書の主役。現実はそんなに甘いものではなく、本人の性格にはちょっと難があったようだし、応仁の乱を泥沼化させる致命的なミスを犯していたという話には驚いた。いずれにせよ当時を代表する人物の一人で、室町史は公武の双方に目配りが必要であることをあらためて痛感する。天皇がだらしない時には将軍が、将軍がダメな時には天皇が表に出て体制を支えるという興味深い室町史論。

  • 六点

    鎌倉後期の大覚寺統と持明院統との分裂から説き起こし、正親町帝に至るまで乱世を、「なぜ天皇は生き延びたのか」考察する本である。無論、後光厳院なども登場するのだが、ほとんどが後花園天皇の物語と言っても過言ではない。「天皇の父」に名実ともになるという妄執を抱き続けた伏見宮貞成親王と言う室町を代表する『看聞日記』を残した日記作家がソースだからである。息子に「太上天皇にしてして」と言い募り距離を取られるエピソードには物の哀れを覚える。武威の裏書人に成りおおせた天皇は、その後の日本を規定したのだ。

  • 不純文學交遊録

    後花園天皇に興味があり、図書館で検索してたどり着いたのが本書。武家政治時代の天皇は(幕府に抗した後鳥羽・後醍醐を除いて)存在感が薄いが、後花園は政治を顧みない将軍・足利義政を叱責したという。この逸話は史実と異なるが、それくらい政治に強く関与した天皇である。教養人でもあり、今でいう国立国会図書館も構想していた。当時は南北朝合一がなされたばかりで、皇位継承は不安定だった。現在に至る皇室の礎を築いた天皇が後花園なのである。気候変動や東アジア情勢も視野に入れ、動乱期の王権の実像を詳らかにした読み応えのある一冊。

  • Teo

    面白い。これまでも室町幕府が北朝を見捨てて南朝に降った時期があったと言うのは知っていたが、その知識の中ではあくまでも北朝は単なる翻弄される道具と言う視点でしか見ていなかった。これを読むと持明院統がどう抗って、しかもその持明院統の中においても皇統の分裂と合一がどうなされたかがよく分かる。

  • 預かりマウス

    室町後期の後花園院を主題とした書だが、持明院統、特に光厳院以降の歴代についても詳しく解説されている。後花園院以降についても、正親町院まで簡単に解説される。読みやすくとても面白い。だいぶ前に今谷明の『室町の王権』を実に面白く読んだが、本書の著者も同書に触発されてこの専門に進んだとの由。鎌倉、江戸幕府と異なり、室町幕府は朝廷の御隣さんである故、関係も濃密で、事あるごとに足利将軍家に翻弄される皇族、摂関、公家衆の有様、ペーソスは日本史上この時代特有だ。

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