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新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症 光文社新書

村中璃子

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334044893
ISBN 10 : 4334044891
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan

Content Description

世界の多くの国にとって、新興・再興感染症対策は国防の要である。それは危険な感染症から国民を守るという意味だけでなく、生物兵器によるテロへの備え、ワクチンや新薬の開発とそれを用いた外交、諜報や情報防衛も含む。翻って日本は、国防の観点からの感染症対策は明らかに後れをとっている。新型コロナウイルスのパンデミックにより、WHOの権威が失墜し、各国の安全保障体制におけるバイオセキュリティの位置づけの変化が浮き彫りになっている。世界は、なぜ新型コロナウイルスを封じ込められなかったのか。米・中など各国の事情は。そして日本に足りないものとは―。ドイツ在住、WHOでアウトブレイクサーベイランスやパンデミック対策に従事した経験も持つ医師・ジャーナリストの著者が、新型ウイルスとの闘いを国防・外交の観点から捉え直し伝える。

目次 : 序章 感染症学は植民地経営から始まった/ 第1章 新型コロナ・パンデミックの始まり/ 第2章 WHOなしでパンデミックは終わるのか/ 第3章 PCR信仰と、予言の自己成就/ 第4章 国策としてBSL4ラボを整備せよ/ 第5章 パンデミックの予行演習、エボラ出血熱を振り返る/ 第6章 数奇なる運命、アビガンの素顔

【著者紹介】
村中璃子 : 東京都出身。医師・ジャーナリスト。一橋大学社会学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了後、北海道大学医学部卒業。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局の新興・再興感染症対策チームなどを経て、医師として活躍するとともに、医療問題を中心に幅広く執筆。ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所(ドイツ・ハンブルク)研究員。京都大学大学院医学研究科講師。2017年、子宮頸がんワクチン問題に関する一連の著作活動により、科学雑誌『ネイチャー』などが主催するジョン・マドックス賞を日本人として初めて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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タイトルから想像すると、PCR検査が少ない...

投稿日:2021/04/11 (日)

タイトルから想像すると、PCR検査が少ないや国境を閉鎖するのが遅れたのような日本の防疫体制の弱さを指摘するようなことが書かれていると思って読むと、感染症対策の歴史から始まり、WHOにおける米中のポジションの変化、米国CDCの現在にワクチン開発競争に新型コロナの発生日はいつかにいたるまでスケールの大きな本である。日本の防疫体制として、BL4という最高レベルの感染症に対する施設がなかったこと、であるがゆえに入院するものの退院ができないという恐ろしい現実があったこと、長崎にBL4対応の病院ができたときも反対一辺倒であったことも知らなかったし、2014年のエボラ出血熱に対する国内の動きと世界の動きが実は今回のコロナウイルスに対する予行のような結果にもなっていることも知っておくべき。当然のごとく、本書ではPCR至上主義とアビガン信仰には手厳しい評価を下している。感染症をめぐる諸事情も理解できる一冊。

DJもちお さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 荒野の狼

    大学医学部でウイルス学の教育・研究しているものです。本書はタイトルに「新型コロナ」がふくまれているが、コロナに関しては、特に第3章がPCR検査の意味などを解説しており優れている。他の章は、いずれも新型コロナに関連して書かれているが、多様なトピックに触れられており、WHOの内情、米CDCの世界戦略の意味合い、日本で二つあるBSL4施設の解説、新型コロナの治療薬としてのアビガンとレムでシビルの効果など、本書でなくては得られない情報が掲載されている。

  • sine_wave

    PCR検査の意味、アビガンの有効性に特に関心があったので、しっかり読めた。日本とアメリカ等の他国と違うのは、感染症対策に国防という視点が日本には希薄であるということらしい。アビガンについては、製作会社が地元の富山県であることで、関心を強く持っている。

  • 乱読家 護る会支持!

    欧米では、コレラの恐怖体験と植民地支配のために感染症学が進歩していき、さらにはバイオテロを想定した様々な備えが出来ていた。 日本には感染症とパンデミックの専門家があまりに少なく、新型コロナでは多数のエセ専門家の煽りによるPCR検査により医療崩壊を招きかねない状態となった。 日本では新型コロナの感染は海外諸国より桁違いに低く抑えられている。 しかし、パンデミックに対しての法的対処は全く遅れており、一つ間違えば、日本は先進国で最大の被害者を出す可能性があった。国防の視点での感染症対策は急務。

  • 木ハムしっぽ

    日本では科学的に信頼できる感染症対策の専門家の意見が政府やマスメディアに取り上げられ来なかった事を思い知らされる本書。新型コロナの対応として科学的な根拠が薄い政策や報道に辟易してきたが、それだけではなくパンデミックに対する備えがそもそも出来ていなかった事が分かり暗澹としてしまう読後感だった。政府やマスメディアにも優秀な人材はいるはずなのに何故。。。 BSL4ラボの建設と稼働に関する政府・メディア・市民運動のチグハグさ、、、治療薬として期待されるアビガンも科学的な判断を前提として政治的に活用して欲しい。

  • 活字の旅遊人

    大局から新型コロナウイルス感染による国際社会の動きを観察、記録していて、参考になった。エボラ出血熱の時との比較は特に良いと思った。多くの人が読んで納得できるか、というと、どうだろう?ちょっと前に読了した森田洋之「日本の医療の不都合な真実」の方が、一般人目線。TVでの村中さんが、一部から「上から目線」と批判されてたようですが、この著者は、そういう立場で語る。マスコミの要求に屈しなかった様子が最後の方に書いてあり、むしろ称賛を送りたいです。

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