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無情 平凡社ライブラリー

李光洙

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582769043
ISBN 10 : 4582769047
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本への留学を果たし、前途有望な英語教師・李亨植。裕福な両班の娘・金善馨の個人教授を頼まれ、初めて年頃の女性に接し浮き立つ彼の前に、幼い頃思いを寄せ合うも消息が途絶え、いまや妓生となった恩師の娘・朴英釆が現れる―。旧弊な社会と新文明の光明の間で揺れる日本統治下の若き男女の姿に祖国啓蒙の意を重ねて綴られた韓国文学初の近代長編小説にしてハングルで書かれた初めての知識人小説。

【著者紹介】
李光洙 : 1892‐1950? 号・春園。平安北道定州の貧家に生まれ、11歳で孤児になる。宗教団体東学の留学生として来日し、明治学院普通学部在学中に創作を始めた。卒業後故郷で教師となり、早稲田大学に再留学して1917年に『無情』を発表。1919年、2・8独立宣言を起草して上海に亡命し、大韓民国臨時政府樹立に参加するも2年後に帰国。民族の実力養成をめざして修養同友会を結成する一方、多くの長編を発表して文壇の第一人者となった。だが同友会事件で弾圧を受けたあと、「内鮮一体」の支持を表明して朝鮮総督府に協力し、香山光郎と創氏改名して日本語で多くの著作をなした。日本が敗戦し大韓民国が樹立されると反民族行為処罰法により収監されるが不起訴となり、1950年に朝鮮戦争の渦中で北朝鮮に連行されたあとの消息は不明である

波田野節子 : 新潟市生まれ。新潟県立大学名誉教授。韓国近現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 榊原 香織

    韓国の夏目漱石、と言われる人の代表作。 作風は似てない。漱石より明るい、というと語弊があるが、あの、ネチネチ暗く悩む感じはない。 1910年(日本併合時代)のソウル、知識人が幼馴染の美貌の妓生と裕福で知的な女性との間で揺れる話。 それぞれの登場人物が当時の韓国の擬人化らしく、極端。下宿の老婆だけリアリティがある。 女は強いね、という読後感。 作者の実感でもあったのでは?

  • Shun

    本作は韓国文学初の近代長編小説と銘打ち、作者のイー・グァンス氏は親日として糾弾されるなど著作の評価とは別に韓国内での風当たりは強かった模様。近年の韓国文学は日本だけでなく世界でも知名度が上がっており今後は邦訳ものが増えればもっと触れられる機会が増えそうです。本作の物語は、日本統治下の韓国社会で近代的教育に情熱を捧げる真面目な青年と、境遇の異なる二人の女性を中心に描かれる恋愛文学または啓蒙的意味合いが込められた物語でもあります。当時の世相や古びた価値観と近代化の間で揺れ動く人々の思想は一読の価値ありでした。

  • 崩紫サロメ

    朝鮮近代文学の祖・李光洙の代表作。「文明化」と「旧社会」の中で葛藤する男女を描いた啓蒙小説、ビルドゥングスロマンであるが、とにかく展開が面白い。川に身を投げたら必ず助かる、世間は滅茶苦茶狭い、という韓国ドラマ的な面白さというか(笑)痛快な展開の中で、それぞれの自己撞着や差別意識など、垣間見える感情が鋭い。主人公の友人友善の女性の貞節に対する認識の矛盾(作者が指摘している)など。ラストは、これが植民地支配ということなのだろうか、と衝撃として受け止めた。

  • まこ

    この頃の朝鮮半島は西洋のアレコレが沢山入ってきたが、付け焼き刃だし、知識がない人を無意識のうちに見下している。ヒョンシクも誰かに見下されているんじゃ。西洋が入ってくるのは良いことなのかと思わせてからビョンウクの登場で女性の西洋での生き方や朝鮮半島の古い学問も学ぶバランスの良さが入ってきて理想の形を示している。ヒョンシクの恋愛に対してどっちつかず、英采もソニョンにも失礼な態度が最後まではっきりせずに終わったのが。ラストは打ち切りエンドみたいで消化不良

  • jamko

    〈韓国文学初の近代長編小説にしてハングルで書かれた初めての知識人小説〉という説明が気になって読んでみた。通俗小説っぽいなと思いながら読み出したのだけど終盤めちゃめちゃ盛り上げてきて今読んでも面白い。でも朝鮮が日本統治下にある時代に書かれたことは頭に入れて読むべきだよね。不自然なほどに日本の憲兵や日本語の強制など非植民地であることが隠されている。ラストは啓蒙小説の色合いが濃いが、背景を考えれば時代の変化を願うしかない悲痛さも感じてしまう。

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