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血の涙 光文社古典新訳文庫

李人稙

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334103484
ISBN 10 : 4334103480
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「朝鮮最初の小説家」と称される著者による、日清戦争で離れ離れになった家族の運命に翻弄される様を描く代表作。少女オンリョンは戦場となった平壌で父母と離散し、日本、そしてアメリカと渡り歩いていく。故郷から離れた土地では、思いがけない出会いもあり‥‥。古典文学と近代文学をつなぐ「新小説」というジャンルに属し、かつそのジャンルを創造した、韓国文学史上の有名作品。

【著者紹介】
李人稙 : 1862‐1916。韓国文学史における古典と近代小説の間のジャンル「新小説」の代表的作家。青年期、朝鮮が各国と開国条約を結ぶなか、欧米の技術や制度を取り入れて政治改革を行おうとする開化派に所属する。王妃暗殺事件の余波で1896年に日本へ亡命するが、1900年には転じて官費留学生に。同年、東京政治学校の正規学生となり、翌年には『都新聞』の見習い研修生として働き始めもする。1902年、同紙にて著者初の創作となる短篇「寡婦の夢」を日本語で発表。帰国後は新聞事業に携わり、1906年に主筆を務めた天道教の機関紙『萬歳報』にて『血の涙』の連載を始める。韓国併合の際には首相・李完用の秘書役としてその準備に関する政治活動を行なった経歴から、現在の韓国では「親日派」、対日協力者と呼ばれることがある

波田野節子 : 1950年生まれ。韓国近代文学研究者。新潟県立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    日清戦争で離れ離れになった家族。母親は別離を嘆きつつも離れられず、父親は米国へ留学。娘、玉蓮(オンニョン)は日本軍医に引き取られたが・・・。果たして家族は再会できるのか?朝ドラ的新聞掲載。作者は当時の挑戦において開明派の位置にいたので親日作家と評価されているそうだ。しかし、井上家での生存が掛かって大人びるしかなかったのに日本の風習により、薄氷を踏むような生活を余儀なくされるのが痛々しい。その分、米国で人生が導かれる方が啓蒙的に描かれていると思った。後、時の政権下次第で韓国内での評価が大きく、変わってそう。

  • NAO

    朝鮮、アメリカ、日本と別れ別れになった家族が、長い年月を経て再会する物語。序盤以降はオンニョンの苦難の日々が描かれている。苦難とはいっても、短く蛋白な文章なので、感情が籠もらない伝聞を聞かされているかのようだ。それは、『血の涙』という題とはちょっとそぐわないようでもあるのだが、あまりにも深い苦しみだったがゆえに蛋白に語るしかないということなのだと思う。

  • qwer0987

    物語としての完成度は低いが、当時の韓国の雰囲気が感じられるし、それなりに面白い。内容はメロドラマである。指摘されているように偶然の要素が強く、展開に甘い面は目立つ。しかし李氏朝鮮時代の開化派ゆえか、祖国を良くしたいとの思いが伝わるし、儒教的価値観や不正を行う国家に対する怒りや女性の解放を願っている点は良い。と同時に解説で触れられているようにそれでも女性には奥ゆかしくあってほしいという保守的な面も見られ、著者の矛盾が感じられる点もまた興味深かった。解説は充実していて読み応えあり、こちらも満足である。

  • CCC

    近代朝鮮小説のはしりみたいな作品。展開はちょっと連続テレビ小説っぽいなと思った。進行は早く、次々と話のステージが変わっていく。と思ったら、最後は「あれっ?」と思うような終わり方。連載途中で制作中断したらしい。惜しい。話の主軸は苦難に遭いながらも少女が成長する話。啓蒙色も強い。しかしそれも含めて時代要素が強く、そちらに着目しても読める。ただその場合、話展開の軽さや、日本が朝鮮式に書かれているところがあるなど、細かい部分が気になるかもしれない。当時の朝鮮における開明派的な立場の視点は伝わってくる。

  • 刳森伸一

    近代韓国文学の原点とも言うべき作品とのこと。ドラマチックな物語と要所要所で光る洞察が面白い大河的な作品で、当時に既にこのレベルにあることに驚く。ただ、その一方で「血の涙」という重々しいタイトルの割には軽い文体とご都合主義的な展開には草創期の粗を感じずにはいられない。

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