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裾花

杉本真維子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784783734451
ISBN 10 : 4783734453
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2014
Japan

Content Description

語りえない瞬きを賭けて、無量の思いを一滴に刻む。類のない詩の結実、24篇。

目次 : 川原/ 狂い栗/ 青木町書店/ ナダロ/ 文通/ 壜/ 嘴/ しろい占い/ 夏至/ 参拝〔ほか〕

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 夜間飛行

    詩は声に出して初めて言葉になる。《グリーンサラダが怖い/グリーンサラダにやられる/いま知らない言葉に、食われるおまえは、誰だ》、ここに書かれているのは、詩の言葉が声の主を食べに来るという詩人の想像であり、不安と入り混じった期待がある。《鉄板が屋根にはられて/光はたちまち/鳥を落とす罠に変わる(略)/さびしさは頭ひとつ多い、から/墜落のなかで一羽だけ激しく/迎えにきてしまうのだ》、一羽の鳥が墜落しながら迎えにくる。鳥は男。嘴が工具のように光り、淡々と詩は生まれる。《夢見は裁き》だ。夜の言葉を明日、男に返す。

  • sk

    とても自然な運びで整頓されて行きながらも、激しさがだんだん累積していき、いつの間にか大きな戦慄に包まれるという感銘深い詩集だった。多分私のよく知らない技術が巧妙に作用しているのだろうし、その技術は詩人の固有性に根差すのではないだろうか。

  •    ぬ

    「正しく裁こうとする者に/降伏する、幸福が、ありませんように」(「わたしの鬣」)。妙に端正である、かと思うと乱調している。食べることがあり、町があり、家族と死があって、追想じみた仕方で、他人の言葉が入り込んでくる。ぶつ切りにされる読点や半ばで切れる文も短文もあり、ただ終わりは丁寧に、「死にたえる顔まで、ここで見ている。」(「置物」)。

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