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江之浦奇譚

杉本博司 (芸術家)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000223072
ISBN 10 : 4000223070
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan

Content Description

能に文楽、バレエの演出。普請道楽、骨董三昧。作庭、料理、なんでもござれの百面相―さて杉本博司とは何者か。本書には、自身「遺作」と位置付ける江之浦測候所に引き寄せられたモノたちが語る因縁譚が満ちている。和歌と文、写真が渾然一体となった令和の奇書、現代を代表するアーティストの風狂の半生がここに。(書き下ろし、カラー図版多数)

目次
まえがき

馴れ初め 平成六年 春
明月門 平成十年 春
石橋山古戦場 平成十三年 秋
眼鏡トンネル 平成十四年 正月
A級戦犯の門 平成十五年 夏
天正庵 平成十六年 夏
植物と人間 平成十七年 春
直島禊プール 平成十八年 春
冬至光遥拝隧道 平成十八年 夏
能面萬媚 平成十八年 秋
江戸城石垣 平成十九年 春
元興寺天平礎石 平成十九年 夏
数寄屋普請 平成十九年 秋
縄文人が一人 平成二十年 初春
古墳内能舞台 平成二十年 春
トスカーナのキリスト 平成二十年 秋
父尉 平成二十一年 初夏
比燕荘 平成二十二年 春
浄土式庭園 平成二十三年 春
骨董の魔性 平成二十三年 秋
京都市電敷石 平成二十四年 春
藤原京石橋 平成二十四年 初夏
夏至光遥拝 平成二十四年 夏
待庵本歌取り 平成二十五年 春
内山永久寺十三重塔 平成二十五年 初夏
大谷石石切場 平成二十六年 秋
冬至光 平成二十六年 冬至
茅葺屋根能舞台 平成二十七年 春
古代ローマ劇場 平成二十七年 初夏
鉄宝塔 平成二十七年 秋
隧道完成 平成二十七年 冬至
恐怖の塔 平成二十八年 春
井戸の緋色 平成二十八年 初夏
懸造光学硝子舞台 平成二十八年 夏
滝根石 平成二十八年 秋
茶室雨聴天 平成二十八年 晩秋
みちしるべ 平成二十八年 冬
殺生禁断 平成二十九年 春
聖廟千句 平成二十九年 初夏
法隆寺若草伽藍礎石 平成二十九年 夏
江之浦測候所 平成二十九年 秋
大洞台 平成三十年 春
九段の社 平成三十年 秋
春日社招請 令和元年 秋

あとがき 流転する季節

参考文献

【著者紹介】
杉本博司 (芸術家) : 1948年東京生まれ。立教大学経済学部卒業後に渡米、アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(ロサンゼルス)で写真を学ぶ。1974年よりニューヨーク在住。『海景』『劇場』『建築』シリーズなどの代表作がメトロポリタン美術館をはじめとする世界有数の美術館に収蔵されている。彫刻、建築、造園、料理と多方面に活躍、とりわけ伝統芸能に対する造詣が深く、演出を手掛けた「杉本文楽 曾根崎心中 付り観音廻り」公演は国内外で高い評価を受けた。2008年、新素材研究所を設立。2009年、公益財団法人小田原文化財団を設立。2017年10月、約20年の歳月をかけて建設された文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」をオープン。ハッセルブラッド国際写真賞、高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)受賞、紫綬褒章受章、フランス芸術文化勲章オフィシエ叙勲、そして2017年、文化功労者に選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ

    久々に訪れた江之浦測候所は、雨の中霧に覆われ幻想的な雰囲気を醸し出していた。杉本博司は、相模湾の海を望むみかんばたけのこの土地を手に入れるため、現代美術作家と農家を兼業することにして農業法人「植物と人間」を設立した。土地の所有者高橋夫妻に能舞台が完成したらここで能を観てみたいと言われた約束は、12年後舞台完成の数ヶ月前に他界され果たせなかった。。千利休待庵もどき茶室雨聴天、内山永久寺十三重塔、元興寺天平礎石、明月門、数理模型、春日社、滝根石、みんな雨に濡れて喜んでるよう。また、きたん、って囁いてくれた。

  • keroppi

    小田原の「江乃浦測候所」に今年訪れた。その日は晴天で相模湾の海は美しく、このような施設を作り上げた杉本博司というアーティストに畏敬の念を持った。そこで販売されていたこの本を入手。杉本博司のサイン入りである。江乃浦測候所が出来上がるまでのことが綴られている。美しい歌と写真が添えられていて、まるで詩とか歴史書でも読む感じだった。読みつつ、この場所は、時間や空間を超越し、歴史と宇宙の営みを閉じ込めたようなところだなぁと思った。それでいて、外界と未来に向かって開いている。今年中にこの本を読むことができてよかった。

  • ケイティ

    念願の江之浦測候所に行けることになり、前後に半分ずつ読む。江之浦が完成するまでの経緯、なにより芸術家としての表現を超えた、杉本さんの信念や祈りのようなものが粛々と伝わってきた。これまで見ていた江之浦の写真やイメージから設計美のような佇まいを想像していたけど、実際に訪れると「私は私の作品の精魂込めながら、古美術という精魂と交歓したいのだ」という本書の言葉を体感して圧倒される。無造作に点在しているようで、すべてに意味と因縁があり、どのような思い入れがあるかがとてもよく分かる。静謐な文章もしんしんと響いた。

  • クラムボン

    「江之浦測候所」とは何とも風変わりな名称です。相模湾に面した小田原の崖地で、元々は蜜柑畑だった場所にこの施設は在る。冬至の日の出を遥拝する隧道、海に18m突き出した夏至光遥拝の100mギャラリー 、石と光学硝子の能舞台、《待庵》を本歌取りした茶室など、そして 杉本博司が所蔵する美術品の鑑賞棟があるのだが、どうにも説明し難いモノなのです。建築様式や工法には強い拘りを持ち、古き時代の再現を試みているようだ。作者の個性と哲学が強烈に盛り込まれていると思う。近々見学に行くので楽しみだ。

  • Tenouji

    見えないものを見る、古層を偲ぶ、など言われるけど、この人ほど、それを実践している人はいない。数寄者だけどw。

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