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「軍事研究」の戦後史 科学者はどう向きあってきたか

杉山滋郎

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784623078622
ISBN 10 : 4623078620
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「軍事研究に手を染めない」としてきた日本の学術界がいま揺らいでいる。防衛のための軍事研究は必要との主張が出てきたからだ。宇宙開発や、人工知能、バイオテクノロジーなど最先端の科学技術は、軍事にも民生にも役立つ(デュアルユース)、だからこれまでの方針は足かせになるという意見もある。これに対し本書は「軍事研究に手を染めない」方針がどのように確立し機能してきたのか、無理や限界がなかったのかを歴史に問い、新たな情況下で初心を生かす道を探る。

目次 : 第1章 「軍事研究」前史―ダイナマイトから七三一部隊まで/ 第2章 冷戦がすすむなかで―大学が聖域になったとき/ 第3章 ベトナム戦争の時代―「平和の目的に限り」の定着/ 第4章 新冷戦の時代―「平和の目的に限り」の裏で/ 第5章 冷戦終結後―進みゆく「デュアルユース」/ 第6章 軍事研究の是非を問う―何をどこまで認めるか

【著者紹介】
杉山滋郎 : 1950年生まれ。東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻博士課程満期退学、博士(学術)東京工業大学。現在、筑波大学講師、北海道大学理学部助教授、教授、CoSTEP代表(兼任)を経て北海道大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 無重力蜜柑

    戦後日本で政府、大学、各学会、研究者個人が「軍事研究」とどう向き合って来たかを描く。当然「軍事研究には加担しない」が学術会議を中心とする戦後日本アカデミアの基本姿勢になるわけだが、そんな単純に済む話ではない。軍事/民生の境界は曖昧なため研究内容で軍事研究を識別できないという指摘は戦後直後からあった。資金や設備が軍と関係する研究を拒否するというと、内容が基礎研究であれば軍の支援を受けても構わないという反論が出る。そもそもアカデミア=大学研究者だけが留意すれば良いのか、企業の研究はどうなのという話もある。

  • スプリント

    日本は軍事研究を行うべきか。非常に難しい命題に対して科学者達がどのように向き合ってきたのか。自衛の為の軍事研究は必要なのか。軍事研究に転用される可能性のある研究の是非は。非常に考えさせられる内容でした。

  • hajimemasite

    軍事研究と聞き飛びついて読んだはいいものの、軍事史研究あるいは軍事学研究ではなく、軍事研究で、副題を読んでないことがバレ辛くなった。内容事態はおそらくよくまとめられていると考えられるが、分野が違うのでなんとも。

  • 6haramitsu

    第二次大戦の反省から科学者がこんなに苦悩していたとは知らなかった。マイナーな領域なのでよく調べ上げていると思います。「すべての科学者が反対すれば戦争は不可能」がとても印象深い。確かに現代で棍棒と石で戦うことは無い訳で、人間同士は科学を駆使して戦う。結局、実際に危害を加える破壊体はそれを駆使する運用体、要はIT技術で支えられ、バーチャル世界の競争≒戦争ということに帰着しそう。我々が1つの地球人に成れれば軍事機密や軍事研究だなんてなくなって共同体の理論で科学の利益を皆で得られるかな?結局使う人間のレベル次第。

  • ミント

    軍事研究という言葉そのものの定義が定まっておらず、直接的な軍事研究のみなのか、軍からの資金や軍の施設の利用も軍事研究に含まれるのか、基礎研究なら問題ないのか、民生利用とデュァルユースはどうみなすのか、といったどこからどこまでが軍事研究なのかが曖昧なのが一つの問題。科学者全員がその研究が与える影響を予測しているわけではなく、また予測できない面も多い。その中で、大学の運営交付金は年々減らされ続けており、特に地方大学では競争的資金である科研費等からの予算確保も難しく、防衛省の予算が魅力的であるという側面もある。

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