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女優とピアニストは職業ではない。女優は生まれながらにして女優であり、ピアニストは生まれながらにしてピアニストなのである。(中略)
それでもピアニストになりたい、と願う若者はこの国にはたくさんいる。
何なんだろう、ピアニストという響きが放つこの魔力は。その一方で、音大生なのに鬼火ひとつ満足に弾けない人が大勢いるのはどうしてだろう!?
(「まえがき」より)
世界中で愛されるピアノという楽器。日本には、いつ、どのように伝わったのか。日本で初めてピアノが製造されたのはいつか。わが国のピアニストたちが歩んできた軌跡を辿りながら、今日、私たちが目にしている「日本の新しいピアニスト像」までを射程に入れて考察。
[目次]
【序章】鹿児島〜浜松−―オルガンからピアノへ
【第1章】横浜、そして上野――日本人ピアニスト誕生と東京音楽学校
【第2章】上野の森、あるいは調布――東京藝大と桐朋学園
【第3章】浜松――ヤマハとカワイの出生地
【第4章】ロンドン、ベルリン、あるいはヘルシンキ――海外で活躍するピアニスト
【第5章】ワルシャワ――ショパンの聖地で輝いた若者たち
【終章】東京、奈良、そしてサイバー空間――日本のピアニストの現在地
【付録】日本のピアニスト・ディスコグラフィ30
《著者紹介》
本間ひろむ(ほんまひろむ)
1962年東京都生まれ。批評家。大阪芸術大学芸術学部文芸学科中退。専門分野はクラシック音楽評論・映画批評。著書に『ユダヤ人とクラシック音楽』『アルゲリッチとポリーニ』(以上、光文社新書)、『ヴァイオリンとチェロの名盤』『ピアニストの名盤』『指揮者の名盤』(以上、平凡社新書)、『3日でクラシック好きになる本』(KKベストセラーズ)ほか。新聞・雑誌への寄稿のほか、ラジオ番組出演、作詞作曲も手がける。
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