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「合戦」の日本史 城攻め、奇襲、兵站、陣形のリアル 中公新書ラクレ

本郷和人

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121507587
ISBN 10 : 4121507584
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦後、日本の歴史学においては、合戦=軍事の研究が一種のタブーとされてきました。このため、織田信長の桶狭間の奇襲戦法や、源義経の一ノ谷の戦いにおける鵯越の逆落としなども「盛って」語られてはいますが、学問的に価値のある史料から解き明かされたことはありません。城攻め、奇襲、兵站、陣形…。歴史ファンたちが大好きなテーマですが、本当のところはどうだったのでしょうか。本書ではこうした合戦のリアルに迫ります。

目次 : 第1章 合戦の真実(合戦とは何か/ なぜ日本史では軍事研究はタブー視されたのか/ 合戦は人間の「命のやりとり」であることに立ち返って考える/ 合戦における勝敗の大前提/ 勝利の大原則1 戦いとは数である/ 勝利の大原則2 経済を制した者が勝利する)/ 第2章 戦術―ドラマのような「戦術」「戦法」はあり得たか(戦術のリアルを考える/ いかに兵の士気を上げるか/ 奇襲戦のリアルを考える)/ 第3章 城―城攻め、籠城・補給・築城(なぜ城攻めをするのか/ 城郭とは何か/ 籠城とは何か/ 「本城+1」の戦いとは何か/ 兵站が勝敗の鍵を握る/ 築城戦を考える)/ 第4章 勝敗―勝利に必要な要素とは(合戦の勝敗を改めて考える/ 敗戦は指揮系統の崩壊によって引き起こされる/ 農民たちの士気を上げる)

【著者紹介】
本郷和人 : 1960年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。文学博士。東京大学、同大学院で石井進氏、五味文彦氏に師事。専攻は日本中世政治史、古文書学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • きみたけ

    著者は東京大学史料編纂所教授の本郷和人先生。城攻め・奇襲・兵站など歴史ファンたちが大好きなテーマですが、本当のところはどうだったのか「合戦のリアル」に迫った一冊。城の役割として@敵対する敵の居城A城下町として領地一帯を統治するための城B敵国との国境線の守りを固める境目の城などがあり、城攻めの理由として@敵の命を奪うためA敵が持っている経済的な利潤を奪うためB敵の領土に侵攻するためがある。真の勝敗は総合的に見て判断する必要があるという。先日読んだ長谷川ヨシテルのお城の話とリンクしてとても興味深い内容でした。

  • tamami

    著者によれば、戦前の日本は、神風に象徴される皇国史観のせいで、また戦後は、軍事研究の忌避により、まっとうな軍事史研究が行われてこなかったという。そんな風潮に対して、「戦いのない未来を創る。そのためにも、冷静な合戦研究がなされるべき」と著者は訴える。歴史物が描く合戦物語に対して、合戦の意味や勝敗を決する要因について述べるとともに、一人の戦闘員が戦場に立つというリアルを想定し、桶狭間の戦いや高天神城の攻防など、歴史上有名な合戦や城の攻防について、真実!を記していく。戦後の歴史学研究の壁の一つに風穴を開けるか。

  • yamatoshiuruhashi

    帯は「軍師は本当に存在したのか?」とあるが、本書の真骨頂はそのような軍記物の真偽を確かめることと言うより、歴史を考える上で軍事をタブー視してはならないこと、軍事のリアルを知らねば歴史事象の分析を誤ると言うことだと思う。なぜ城は築造されるのか、その城をなぜ攻めねばならないのか。城の機能によって大きく違うし、その軍事的意義の違いによってその城を巡って行われた戦いも様相も意味合いも異なる。軍事を知らずにただ憶測をしても仕方がないと言うことを明確に打ち出したことは大きな意義がある。

  • きみたけ

    面白かった。さすが本郷さん😃著者は東京大学史料編纂所教授の本郷和人先生。「歴史のIF」「平安最強の貴族・藤原道長と源氏物語の謎」など、本郷さんの本はすでに6冊読了。戦国時代の合戦では大半は農民とみられるなか、戦場のリアルに立ち、城攻め・奇襲・兵站・陣形・戦法など、あらゆる観点から日本史における合戦を考察した一冊。戦後、日本の歴史学において、合戦=軍事の研究が一種のタブーとされ、織田信長の桶狭間の奇襲戦法や源義経の一ノ谷の戦いにおける鵯越えなども「盛って」語られています。

  • 金吾

    ○読みやすい上に戦いをイメージアップできる書きぶりが面白いです。経済ひいては兵站の重要性を戦国から明治までは理解していたが、近代化されたはずの昭和の軍隊が理解していなかったのは軍人の官僚化がすすみリアリティに欠けたからなのだろうと思いました。また現在も専門的な軍事研究と歴史研究をリンクさせることをタブー視している限りリアリティはないままだろうと感じました。

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