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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 講談社文庫

Yukiko Motoya

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062757416
ISBN 10 : 4062757419
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2007
Japan

Content Description

「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なのだ」―。女優になるために上京していた姉・澄伽が、両親の訃報を受けて故郷に戻ってきた。その日から澄伽による、妹・清深への復讐が始まる。高校時代、妹から受けた屈辱を晴らすために…。小説と演劇、二つの世界で活躍する著者が放つ、魂を震わす物語。

【著者紹介】
本谷有希子 : 1979年石川県生まれ。高校卒業後、上京。2000年9月「劇団、本谷有希子」を旗揚げ。主宰として作・演出を手掛ける。’06年に上演した『遭難、』で第10回鶴屋南北戯曲賞を最年少で受賞。’05年自作戯曲を小説化した本作で三島由紀夫賞候補に、’06年『生きてるだけで、愛。』(新潮社)で芥川賞候補になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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何があっても自分を信じるという姉の心。 ...

投稿日:2009/05/30 (土)

何があっても自分を信じるという姉の心。 この想いに恐怖を感じる場面もありましたが、 姉にとっては生きていく支えとなっていました。 ここまで強い心をもっていれば、幸せに生きれるのかなぁと思いながらも、周りの評価が伴わなければ痛々しく、そして妹が言うように面白くなってしまう・・・ 周りの評価を受け入れるという事はアイデンティティ喪失ともなりかねない姉は、これからも、誰かを傷つけながらも、必死に自分守り続けるのでしょうか。 そんな姉の心境がわからんでもなく、 読み始めた時の姉の印象は物語を読み進めるうち

naco さん | 奈良県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    芥川賞以前の作品で三島賞の候補作となったもの。タイトルはなかなか過激で煽情的なのだが、内容も負けていない。今時には珍しいくらいに情念的。中上健次を思わせる。もっとも、この人の作風が常にこうというわけではなさそうだが。自らの美貌に縋り付くあまりにアイデンティティを喪失する姉の澄伽。一方、その陰にいながら自己の道を進む妹の清深。この小説は、社会との違和の中で行き場を無くした(求める)怒りの表出の物語であり、また本質的な孤独の物語なのだろう。

  • ehirano1

    佐藤優氏が自身の著作で紹介していたので手に取りました。まあ、のっけから不穏というか嫌な予感全開で、読むことを何度も躊躇してしまうのですが(=脳は「止めとけ」と信号を出しているようでした)、なぜかページを捲る手が止まらない止まらない、悲しいくらいに止まりません。その理由を言語化するのは私には困難なのですが、限界ギリギリの感情を生きる群像劇に圧倒されました。その意味で今までに経験のない余韻に呆然となりました。

  • 新地学@児童書病発動中

    女優になることを目指して東京に行っていた主人公の女性が、両親の死のために田舎に帰って来るところから物語が始まる。自分が特別であると思っている主人公が痛々しい。他の登場人物たちも屈折したところを抱えていて、読んでいると胸が塞いでくる。印象的なタイトルは何を示しているのだろうか。自分が特別でないと気づくことから、新しい人生が始まると思う。その意味でこの物語は閉塞状況からの突破の物語だと言える。

  • 優希

    痛くて、熱い。朧げな輪郭が読み進めていくにつれ、熱を帯びて形が見えて来るだけでなく、体に突き刺さってくる世界観があります。登場人物たちの背景が迫るのみならず、焦点が変わることで語られるそれぞれの人物像が理想と現実を行き来するようでした。痛々しさと故郷を嫌う嫌悪感が強くぶつかってくる作品です。笑うこともできず、ただその熱量の中に体を投げ出してしまうような危険さがありました。魂が熱に飲まれていく感覚は嫌いではないです。

  • ゴンゾウ@新潮部

    本谷さん、祝芥川賞受賞!彼女が描く女性はだめだめで病んでいてほっておけない強烈なオンナが多い。その中でも澄伽は際立っています。突っ張り度、勘違い度が半端じゃない。清深に真実を知らされて号泣するシーンでは一転して愛おしくなる。きっと自分も役者の才能が無いってことを認識してたんだろうな。朱色のワンピースをセクシーなサトエリの姿が頭から離れない。

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