Books

地中海世界の歴史 6 「われらが海」の覇権 地中海世界帝国の成立 講談社選書メチエ

本村凌二

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065393260
ISBN 10 : 4065393264
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2025
Japan

Content Description

一人の歴史家の視点で古代地中海文明の4000年を描く全8巻シリーズ、好評第6巻。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。
地中海の覇権を握ったローマが、カエサルとアウグストゥスという二人の傑物を軸に、地中海を取り囲む帝国へと発展する200年あまりを描く。王の独裁を嫌い、長い時間をかけて共和政を完成させてきたローマは、なぜ帝政へと転換したのだろうか。
前146年に宿敵カルタゴを倒した地中海の覇者は、混迷の中にあった。グラックス兄弟の改革は二人の非業の死で終わり、マリウス、スッラ、クラッスス、ポンペイウスら有力者が競い合う。
やがて頭角を現したユリウス・カエサルは、終身独裁官の地位を得たものの、元老院貴族の反感を買って暗殺されるが、彼がその素質を見抜き、目をかけた少年が、姉孫のオクタウィアヌスだった。カエサルの死後、アントニウスとクレオパトラの連合軍を破ったオクタウィアヌスは、初代皇帝アウグストゥスと呼ばれるが、あくまで「共和政国家の元首」として振る舞いつつ、帝政を建設する。
しかし、カエサルに始まるローマ皇帝の系譜「ユリウス・クラウディウス朝」はその後、苦悩続きとなる。期待されつつ早世したゲルマニクス、狂気を帯びた皇帝カリグラ、母に疎まれ続けたクラウディウス、暴君の代名詞・ネロ。一方、この時代の帝国の華やかさと豊かさは、ポンペイの遺跡の中に見出すことができる。

はじめに
第一章 覇者は混迷を深める
1 「特異なる民」の神と神々
2 グラックス兄弟とその母
3 内乱のローマ――マリウスvs.スッラ
4 大ポンペイウスの勝利
第二章 「運命の寵児」の栄光と死
1 進撃する「わが友カエサル」
2 「殺されるべくして殺された」
3 アントニウスとクレオパトラ
4 カエサルは妻を愛したか?
第三章 「尊厳なる者」の帝国と都
1 共和政の元首・アウグストゥス
2 私人として、公人として
3 平和のなかの詩人たち
4 ローマ市街の碑文を歩く
第四章 血族の権威と引力
1 ゲルマニクスの幻影
2 狂気と不機嫌の皇帝――カリグラとクラウディウス
3 暴君にして芸能人――ネロとその時代
4 手懐けられる民衆
5 ポンペイ・グラフィティの世界
おわりに
参考文献
索引


【著者紹介】
本村凌二 : 1947年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学・西洋史学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授、早稲田大学国際教養学部特任教授を経て、東京大学名誉教授。おもな著書に『薄闇のローマ世界―嬰児遺棄と奴隷制』(東京大学出版会、サントリー学芸賞)、『馬の世界史』(中公文庫、JRA賞馬事文化賞)ほかがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • KAZOO

    本村さんによる、地中海世界の歴史の6作目です。この巻ではよく知っている人物の名前が出てきます。カルタゴに勝利したローマにはカエサル(いわゆるシーザー)が現われます。ただその時代も長くは続かずにオクタウィアヌスが現われ共和制から帝政へと移っていきます。またポンペイの遺跡の様子も克明に書かれていて昔訪れたことを思い出しました。

  • まえぞう

    6巻目はカエサルを経てアウグストゥスからネロに至るユリウス・クラウディウス朝の時代です。混乱の時代を乗り越えて帝政が始まるわけですが、カエサルとアウグストゥスが対照的ながら際立ちます。世の中ではカエサルのファンが多いようですが、私はどちらかというとアウグストゥスかな。アグリッパのような親友が持てれば最高ですね。

  • ジュンジュン

    範囲は内乱の一世紀からポンペイ埋没まで。シリーズを通じて行動原理としての気質を掘り下げているが、前巻までの「父祖の遺風」から、本巻では「自分の痕跡を残す」事が重要視されてくる。面白かったのはもしケインズがネロ帝時代に生きていたら…。暴君とされるネロの放漫財政も、積極的な財政支出で需要を掘り起こし、景気の浮揚を作り出したと評価支持したのでは?

  • (ま)

    共和政末期〜帝政初期ネロまで 華々しく血みどろで騒がしい時代だが、繰り返しも多く厚み・深みの薄い歴史エッセーのようになってきた…

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items