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帝国航路(エンパイアルート)を往く イギリス植民地と近代日本

木畑 洋一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000283854
ISBN 10 : 4000283855
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「開国」後の一八六〇年代から一九五〇年代に至るまで、多くの日本人がイギリス帝国の支配下の航路を辿り、ヨーロッパへと渡った。上海や香港、シンガポール、ペナン、セイロン、アデン、エジプトなど様々な地域の状況にふれ、帝国支配の様相を自らの視線でとらえた彼らの経験や思索を通して、帝国主義世界体制の中での位置を模索する近代日本の姿に迫る。

目次 : プロローグ―『西洋道中膝栗毛』と帝国航路/ 第1章 帝国航路とイギリス植民地/ 第2章 幕末動乱のなかで―一八六〇年代/ 第3章 明治国家建設をめざして―一八七〇〜八〇年代/ 第4章 帝国支配国へ―一八九〇年代〜第一次世界大戦/ 第5章 ヨーロッパへの挑戦―一九二〇〜三〇年代/ エピローグ―帝国航路とアジア・ヨーロッパ

【著者紹介】
木畑洋一 : 1946年生まれ。1972年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京大学・成城大学名誉教授。イギリス帝国史・帝国主義史、国際関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まーくん

    幕末開国以来、多くの日本人が欧州を訪れたが、ほとんどはインド洋回りの船旅であった。その航路は英国により確立された上海、香港、シンガポール、コロンボ、アデン、スエズを経由する”帝国航路”であった。その航路を幕末の使節団から明治の官僚・軍人、昭和の経済人、戦後の作家・芸術家などに至るまで多種多様な日本人が往来し、大英帝国の威信と統治され虐げられる中国人、インド人、そして最下層に蠢く本来の住民、哀れな「土人」を見る。当初、祖国の行く末に不安を抱くも、その後の日本の興隆に伴い、支配者側へと変わりゆく視点を追う。

  • coolflat

    1860年代から1950年代までの1世紀の間に、帝国航路(イギリス帝国が植民地支配した土地、上海−香港−シンガポール−ペナン−セイロン島−アデン−スエズ運河−エジプト間の航路)を利用して日本から欧州へ赴いた人々、あるいは欧州から日本に戻ってきた人々が、旅の途上で何を見て、何を感じたか、彼らのアジア観、ヨーロッパ観、日本観について記している。帝国航路を旅した人々はおおよそ近代日本のエリートたちであった。共通して言えるのは、中江兆民や永井荷風や島崎藤村などの例外を除き、

  • ワッキー提督

    「帝国意識」を研究された著者らしい一冊。東南アジアからインド洋を経由して欧州へと船旅をした日本人の、ヨーロッパ人や現地人に対する意識の変化を、同時代人の書いた旅行記から探る一冊。 著者はエピローグで、本書が分析した範囲の限界を指摘して、広範な議論に発展させるのを注意深く避けているが、この航路を辿った多くの近代日本エリートが、同じ文脈で同じ世界を見ていたことを考えると、やはり後発帝国主義国としての日本人の意識に、なんらかの影響があったのではとも思わされる。

  • MUNEKAZ

    大英帝国全盛期、ヨーロッパからアジアまでを結んだエンパイアルートを渡った日本人たちのエピソード集。イギリスに対する畏怖と敵愾心、「土人」に対する「ああはなるまい」という自戒と蔑視など複雑な感情が交差する様を描いている。大日本帝国の末路を知っている今からすれば、当時の人々の認識を思い上がりと批判したくもなるが、同時にこれから西欧列強と渡り合おうとするエリートたちの素朴な心性とも受け取れる。所謂「からゆきさん」への同胞としての蔑視、「反英闘士」ウラービーへの関心なども興味深かった。

  • さとちゃん

    1860年代から1950年代までの、欧米に赴いた日本人の旅行記などを通して日本人が世界をどのように見ていたのかを考察するというもの。当時は船旅、それもイギリス船を中心としたものでその航路が「帝国航路」。旅行記に記された内容は復路よりも往路の方が詳細なものが多かった、というのは納得。渡欧した人々は官費で送り出されたエリートが多かったから、というのもあるのだろうけれど、帝国の植民地政策下にあった人々に向けるまなざしがどのようなものだったのか、どう変化していったのか、興味深いものがありました。

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