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闇の精神史 ハヤカワ新書

木澤佐登志

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784153400146
ISBN 10 : 4153400149
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2023
Japan

Content Description

19世紀ロシアに生じた、ロシア宇宙主義と呼ばれる思想潮流。分子となって銀河に散らばる全祖先の復活を唱えるその特異な哲学は現代に回帰し、ウクライナ侵攻の思想的背景とされる新ユーラシア主義や、テクノロジーによる不死を目指すトランスヒューマニズムに巨大な影響を与えている―。どんづまり―の現実、その外部としての「宇宙」。頭上の暗闇に、人は何を見るのか。「土星からの使者」サン・ラーら黒人アーティストのアフロフューチャリズム、そしてサイバースペース/メタバースまでを繋ぎ論じる。

目次 : 第1章 ロシア宇宙主義―居住区としての宇宙(新しい人間―アレクサンドル・ボグダーノフ/ 死者の復活―ニコライ・フョードロフ/ 実体化する「精神圏」―現代ロシアにおける展開1/ 新ユーラシア主義―現代ロシアにおける展開2)/ 第2章 アフロフューチャリズム―故郷としての宇宙(止まって、僕を乗せておくれ―サン・ラー/ 未来は黒い―リー・ペリー/ 変性=変声するヒューマニティ―サイボーグ化の夢)/ 第3章 サイバースペース―もうひとつのフロンティア(一九八四年―ニューロマンサー、マッキントッシュ、VR/ 幸福な監禁―行動分析学的ユートピア/ 人はなぜ炎上するのか―SNSと道具主義/ メタバースは解放か?―精神と肉体の二分法/ 身体というアーキテクチャ―私がユートピアであるために)/ 終章 失われた未来を解き放つ(不死のレーニン/ 飼いならされる大衆のユートピア/ 資本主義と社会主義は生き別れの兄弟/ 排除されるもの/ 「未来」の亡霊/ 二種類のノスタルジー/ 近代の夢を救い出す)

【著者紹介】
木澤佐登志 : 1988年生まれ。文筆家。思想、ポップカルチャー、アングラカルチャーの諸相を領域横断的に分析、執筆する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    我々が手に入れたのはたった140文字である。という文に愕然とする。昔は未来はあんなに希望にあふれていたのに、実際にその地に立ってみると何ら変わることはない。というわけで本書はそんな過去に生じた未来を目指す様々な思想を紹介した本。ロシア宇宙主義、アフロフューチャリズム、サイバースペースがそれぞれ紹介されているが、ロシア〜とサイバーは専門書読んだところだし、残りは音楽史に興味薄いためちょっと食い足りなさを感じたかな。ただ読んでいるとここではないどこか、別の世界を目指した旅人の墓碑みたいに思えてくるかも。

  • 塩崎ツトム

    なんだかありとあらゆる夢や空想が、「半額」とか「パニクれ」とか「おすすめRPG」とかシール貼りされたイデオロギー、をまとった商業的アオリに回収されて、ひとはそれをユートピアと呼ぶようになったとでも言うのだろうか。火星やサイバースペースといった前線も商業化し、ロシアの夢は古風な植民地主義的侵略にすぎないわけで、アフリカ系アメリカ人は新たな故郷を未来に創造しようとする。郷愁すらもショッピングモールの喧騒に飲み込まれる。もはや胎内回帰しかないんじゃなかろうか。

  • タカナとダイアローグ

    初めて触れた加速主義。同年代の思想家が縦横無尽に技術しており、とにかく圧倒された。ロシアが目指したポストヒューマンとか、サンラーが宇宙志向とか、知らなかったことが多すぎて新鮮。宇宙にフロンティア。初めて概念が多く、読み進めるのに苦労した故に私にとって良書だった。フロンティアとしてのメタバース、テクノリバタリアンがヒッピー的な土壌からでてきているっていうのは、知れてよかった。トランプ再選で加速主義は注目されるとおもう。つぎはマークフィッシャーを読む。

  • しずかな午後

    本書のキーワードはスペース(宇宙/空間)、ここではないどこかを目指した思想の系譜をたどる。第一章は「ロシア宇宙主義」、なかでもフョードロフが印象的だ。敬虔なロシア正教徒であり、一年中古ぼけたコートを着て給与はすべて貧しい人々に与えた。そんな市井の隠者のような人柄に反し、その思想はあまりに過激。いわく、神から与えられた使命である〈全人類の不死〉=「この世に存在した全ての人間の復活」を我らは達成しなくてはならない。そのために宇宙空間に飛散した原初の人間・アダムを含む祖先たちの遺骸の粒子を回収せよ…。

  • 無重力蜜柑

    著者がSFMで連載していたエッセイをまとめたもの。グローバル資本主義をはじめ現代世界を覆うシステムからの脱出経路を求め、打ち捨てられたオルタナティブな未来像=異端の諸思想を論じる。具体的にはロシア近代思想、アフロフューチャリズム、20世紀サイバーカルチャーである。題材自体はそれなりに面白い。が、深く掘り下げずに色々なトリビアへオタク的に脱線していくスタイル、それも学者的博覧強記というよりwikiや新書を読み漁るカルチャー系大学生の臭いを感じる微妙な浅さで、中二臭い文体も合わさって流石に少しむずがゆい。

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