Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• パトラッシュ

  読了日：2025/04/21

  欧米に行くと日本にない味を求めて、必ずハムとチーズを買って食べた。特に朝市や田舎の小さな店で売っていた品は、クセの強さが癖になりそうだった。そんなチーズと世界の乳食文化がどのように発展したのかを考える、旅の本としても面白かった。修道院がチーズ生産に寄与した話やナポレオンのカマンベール伝説の真偽、チーズと戦争の関係にアメリカでチーズが工場生産されるようになる経緯などは、興味深いものがある。副題にある通り各国の歴史と風土が独自のチーズに凝縮し、国民食として発展したのだ。チーズ好きにはたまらない、つばがわく本。

• skunk_c

  読了日：2025/07/14

  広義のチーズを意識はしているが、実質的にはほぼヨーロッパの話。特に遊牧圏についてはさわりだけで踏み込めていない印象。元々歴史学者でも民俗学者でもない著者なので、ヨーロッパの様々なチーズにまつわる蘊蓄話(もちろん作り話も含め)を、検証しながら紹介してあり、酒の肴としてのチーズ好きとしては十分面白かった。表題には違和感があるが、歴史についてはそれなりにきちんと調べた形跡があり、いくつか疑問点もあったが特にヨーロッパ史としては概ね妥当で、大学の先生が書いた歴史著作に間違いが散見されることを考えれば十分と思う。

• よっち

  読了日：2025/04/22

  人類にとって身近な発酵食品で多くの人を魅了してやまない嗜好品でもあるチーズ。船倉や革命、宗教対立とともに発達と衰退を繰り返してきたその歴史を追う1冊。最高の保存栄養食だったチーズをシュメール人が神聖視した理由、メソポタミアから世界各地に広がり、発展に貢献した古代ローマ人の帝国崩壊で断絶寸前となり、カトリック修道院の先導で再び開花したチーズ文化、遊牧民の躍進にも貢献したチーズがなぜ中国で普及しなかったのか。ヨーロッパの世界進出による多様化と大量生産化。そして日本のチーズ文化にも触れている興味深い1冊でした。

• 倉屋敷？？

  読了日：2025/06/11

  古代メソポタミアで貴重な栄養源から始まり欧州でチーズ文化が開花し、アメリカで初めて工場での大量生産。そして今に至る。 チーズを通して世界史を見るのもまた面白かった。

• tokumei17794691

  読了日：2025/05/14

  ・欧州を中心としたチーズの通史。欧州には詳しいのだが、西・中央アジア、チベット、モンゴルの遊牧民のチーズ、インド・中国・日本の乳食はごく基本的なことのみで、薄いのが残念。せめてチベット、モンゴルのチーズ、日本の蘇のカラー写真でもあれば良かった。・欧州におけるチーズのうんちくは詳しいのだが、チーズを使った料理はほとんど触れられていない。チーズは火も使わず、そのまま「食べられる」。とはいえ、チーズを使った料理にも、レシピ付きでページを割いてほしかった。・チーズの味についても、記述が薄い感じもする。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します