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ISBN 10 : 4480090894
Content Description
精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」という本質的な項を媒介として見つめ直す。研ぎ澄まされた治療感覚をもって、患者の生き方を知覚し、治癒をめざして真摯な長い対話を重ねる著者の思策と営為。今、「臨床哲学」の地平が開かれる。
目次 : あいだと時間の病理としての分裂病/ 他者の主体性の問題/ 自己と他者/ 家族否認症候群/ 精神医学における現象学の意味/ 直観的現象学と差異の問題―現象学的精神医学の立場から/ 危機と主体/ 離人症における他者/ 内省と自己の病理/ 自己の病理と「絶対の他」/ 現象学的精神病理学と“主体の死”―内因の概念をめぐって/ 境界例における「直接性の病理」/ 離人症と行為的直観/ 分裂病の治療の関して
【著者紹介】
木村敏 : 1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。京都大学名誉教授、河合文化教育研究所主任研究員。専攻、精神病理学。1981年に第3回シーボルト賞、1985年に第1回エグネール賞、2003年に第15回和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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