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すべての「笑い」はドキュメンタリーである 「突ガバ」から「漫勉」まで倉本美津留とテレビの34年

木村元彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784778313685
ISBN 10 : 4778313682
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2016
Japan

Content Description

ノンフィクションライターの木村元彦が、ダウンタウンらと共に日本のお笑い/テレビ史に一時代を築いた放送作家・倉本美津留の仕事から日本のお笑い史を描く評伝。
 あるサッカー監督が旧ユーゴスラヴィアの動乱の中で培った哲学を描く『オシムの言葉』や、ドーピングえん罪の危険性を暴いた『争うは本意ならねど』など、これまでの著作からは意外にも思えますが、木村元彦は大のお笑い好きです。そんな彼にとって、ダウンタウンや板尾創路のコントの監修・構成を務めた倉本美津留は生ける伝説のような存在です。
 倉本美津留は、1980年代にテレビやラジオの放送作家として活躍を始め、読売テレビの伝説的な番組『EXテレビ』の構成を手掛けました。その後、ダウンタウンらと共に東京に活躍の場を移し、『ダウンタウンのごっつええ感じ』『伊東家の食卓』など90年代を代表する作品を担当し、現在のテレビを語る上で欠かせない存在となります。
 倉本さんご自身と、笑い飯、板尾創路、園子温ら当時一緒に仕事をした方への膨大な取材から見えてきたのは、『オレたちひょうきん族』や『8時だョ!全員集合』といったコント番組が絶大な人気を誇る中、「新しい笑いを作りたい」「既存の価値観=テレビ的なものを壊したい」という思いでテレビ業界に飛び込んだ人たちの挑戦の軌跡でした。木村元彦の臨場感溢れる文章によって、関西のカルトな笑いが全国区になった瞬間=テレビの青春が鮮やかに描かれます。
 現在の笑いにつらなるお笑い/テレビの歴史を体験できる一冊です。

【目次/収録内容】(仮)
序章 “笑い飯”が見た倉本美津留
◆第1章 「リビ童日記」
【内容】『ねじ式』『ビートルズ』を愛した少年時代、親友との出会い、テレビ業界へ
【小見出し】作曲家/ハト/リビドー/潜在意識/ゴキブリを殺さない/ご飯/肉/教室大喜利/交通安全週間/ビートルズと和気/ニューヨーク/就職

◆第2章「テレビ屋たちの夏」
【内容】鬼才・田中文夫&変態・かわら長介の薫陶、『突然ガバチョ』『夜はクネクネ』『EXテレビ』『BLT』の現場(上岡龍太郎、島田紳助、やしきたかじん、笑福亭鶴瓶らとの仕事)、親友の死、名言「テレビみたいなことすんな!」、松本人志との出会い
【小見出し】田中文夫とかわら長介と倉本美津留/AD時代「信じろ まず自分を」/夜はクネクネ「ノープランという創造」/和気の死/EXテレビ「ポスト11PM テレビを乗り越えろ」/「変態さんは誰だ」/BLT テレビスタッフ山くずし/松本人志との邂逅/東京

◆第3章「企画よ、お前はただの設定に過ぎない。」
【内容】東京に出てからの仕事(生瀬勝久&三宅裕司『三宅裕司のワークパラダイス』『シャキーン』『M-1』など)、『明石家電視台』が今の明石家さんま番組のルーツに
【小見出し】三宅裕司のワークパラダイス/新しい子ども番組/明石家さんま/M-1復活

◆第4章「群雄」
【内容】これまで仕事をしてきた盟友たちの証言
【小見出し】園子温/板尾創路/CHIM↑POM/笑い飯/浦沢直樹

◆第5章「西呆の人」
【内容】父の死、子であり夫でありミュージシャンである倉本美津留の姿
【小見出し】まさおランド/ビートルズの続きを

【著者】木村元彦
アジアや中東欧のスポーツや民族問題を主な取材対象とし、「文藝春秋」「AERA」他、多数の雑誌に寄稿している。代表作は、紛争に翻弄される旧ユーゴサッカーを描く『誇り』『悪者見参』『オシムの言葉』の3部作。『オシムの言葉』は40万部を超えるベストセラーになった。実はお笑い・演芸が大好きで、世界的に見ても日本は笑いの最先端にいると考えている。





【著者紹介】
木村元彦 : 1962年愛知県生まれ。ジャーナリスト。東欧やアジアのスポーツや民族問題を中心に執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • あちゃくん

    バラエティ番組を手がける放送作家の第一人者、倉本美津留さんの生き様を追った本です。しかも書いているのが、敬愛する木村元彦さん。 木村さんが、サッカーや旧ユーゴじゃないテーマに取り組んでいるというだけでワクワクします。 さらに僕的には、「突然ガバチョ」や「EXテレビ」など、テレビにはまっていた時代の話が多く、楽しかった気分を思い返しながら読了しました。 倉本さんの創りだすお笑いは、アグレッシブだし、アナーキーだし、フリーダムだし。けれども底流としてあるピースフルな人柄を描き出していて良かったです。

  • 遊々亭おさる

    『突然ガバチョ』『夜はクネクネ』『EXテレビ』…関西出身のテレビバラエティー好きのおじさんおばさんなら一度は観た記憶があるであろう人気番組に携わり、雌伏期から全盛期にかけてのダウンタウンのブレーンであった構成作家・倉本美津留の仕事術。(面白い)にこだわり、常識に果敢に挑戦し不可能を可能にする超ボシティブ男の素の顔は、世界平和のために笑いを作り出そうとする優しき男。会議の場や子供番組での可能性を追求する姿勢は、職種は違うがどこかの学校の校長をやってくれたら面白い何かを生み出してくれそうなワクワク感を覚える。

  • 0607xxx

    ダウンタウンの番組の放送作家としての印象が強い倉本美津留について書かれた一冊ですが、関西のバラエティ番組のちょっとした歴史も知る事ができ楽しめた。これからも予想外の面白い番組をどんどん作っていって欲しい!

  • imagine

    天才放送作家、倉本美津留の評伝。それを認識しづらいタイトルが惜しいが、生い立ちから頭角を表すまでを丁寧に辿っている。倉本さんは予定調和を徹底的に避け、未だ見ぬ領域に挑む熱血漢。松本人志と出逢う以前から積み上げてきた数々の破天荒な実績は驚異的。著者の倉本に対するスタンスが、成功した者への称賛に堕することなく、元来の優しい人柄に重きを置いている点が心地よい。

  • 今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

    これは胸熱な生み出すことへの意欲。読み出してからタイトルに違和感があったのだけど、笑いじゃなくてええやん?なんで笑いやの?と。が、板尾の発言で納得。ドキュメンタリーというのはありのままを発信するのではなくて、あくまで発信側の視線に基づくものだ、ということは森達也が言ってたことだったと記憶してるけど、怒りと同じく笑いというのは人が制御できない感情、それを引き起こすためにドキュメントとしての素材と、それを調理する側の「こういうものを作りたい」という意欲は不可欠。

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