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奇のくに風土記

木内昇

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784408538815
ISBN 10 : 4408538817
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan

Content Description

天狗と綽名された少年が草花との不思議な出会いで見つけたものは? 江戸稀代のナチュラリスト・畔田翠山の青春を描く時代長編。

【著者紹介】
木内昇 : 1967年生まれ。東京都出身。出版社勤務を経て、2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2009年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2011年、『漂砂のうたう』で直木賞を受賞。2014年、『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    江戸時代に実在した本草学者をモデルに、人付き合いが苦手で山歩きが好きな少年が山のヌシである天狗と出会い、草木と意思を通じ合えるようになる。最初は周囲から変わり者と思われたが、やがて主君にも認められ大切な役目を果たすほどになっていく。天狗たちも少年を常に見守り、苦しい時にはさりげなく助けたり亡父と再会させるなど温かく育てているようだ。こうしたホラー的なテイストを取り入れた物語は漫画やラノベでも多いが、こちらは派手なシーンは一切なく、自然と友情を結ぶことこそ大切だと静かに訴えて心に響くドラマを描き出している。

  • ちょろこ

    本草学者、畔田翠山を幻想的世界観の中で息づかせた一冊。大好きな「よこまち余話」テイストで、梨木香歩さんの「家守綺潭」好きにはたまらない。岩瀬の山で天狗に会った日から始まる数々の面妖な出来事はまるで縁側でうたた寝しながら見る白昼夢のよう。終始ふわっと漂う時間にふわっと心弾んだ。定家葛の蔓が結ぶ世界と時間なんて最高。翠山はどれだけの草木や仲間の声を聴き、どれだけの想いを相手に捧げたことか。その交流は脈動のように心打ち彼の生き方を刻む。人は自然界から常に学び続けるべきことを思はずにいられない世にも美っつき物語。

  • KAZOO

    今までほとんどの作品を読んできている(「惣十郎浮世始末」は文庫になってからと思っています)木内さんの最新作です。主人公は紀州藩士でその後本草学者となった畔田翆山ですが、この物語では比較的若いころの十兵衛時代のことを書かれています。人づきあいが苦手であった主人公が若いころに天狗に出会いそれを契機として、不思議なことに出会っていきます。様々な草や植物のことがわかります。中江有里さんが「みずみずしい読後感につつまれた」と書かれている通りです。

  • buchipanda3

    「美っついのう」、十兵衛が何度も発するこの方言が耳心地良かった。その言葉が素直に届くのは彼の草木への真摯な慈しみが物語から伝わってきたから。紀州藩本草学者、畔田翠山の評伝小説。十兵衛が翠山へと成長する姿がゆるりと描かれる中、一風変わった味付けがなされる。それは面妖な者たちの存在。発熱した良直の手を何者かと引っ張ったと語る場面が良い。草木の薬効を知る不思議さを著者は巧みに奇異な存在と結びつけた。この世の生き物は区分なく繋がり、生のまま生きている。その事をある者が彼の傍におり教え続けた。翠山による挿絵も良い。

  • たま

    最近の木内さんの時代小説は背景をしっかり書き込んだものが多かったが、これはさらさらと異界の風が吹いて『よこみち余話』を思い出した。微禄の紀州藩士十兵衛(畔田翠山)は師の小原桃洞、藩主の治宝公には認められるものの、人付き合いがとことん苦手、孤独をかかえて植物にのめりこみ、その世界でこの世ならぬものたちに支えられる。霊峰白山での植物採取の折にやはりこの世ならぬ白山の姫と出会い、心情を吐露する場面は心を打つ※。植物への無私の情熱、植物誌にかける多くの人々の思い。翠山自身の手になる挿絵も緑濃い装画も美しい。

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