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斎藤氏四代 人天を守護し、仏想を伝えず ミネルヴァ日本評伝選

木下聡

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784623088089
ISBN 10 : 4623088081
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

長井新左衛門尉(?から1533年?)・斎藤道三(1504年から56年)・義龍(1529から61年)・龍興(1547年から73年) 美濃国の戦国大名。

僧侶から土岐氏重臣に上り詰めた長井新左衛門尉。下剋上により美濃国主となった斎藤道三。父親を倒して国威を増した義龍。織田信長の攻勢により敗れた龍興。稲葉山城を舞台に勃興し没落していった四代の軌跡を描く。

目次
はしがき

序 章 前斎藤氏の隆盛と衰退

第一章 長井新左衛門尉の台頭
 1 新左衛門尉の来歴
 2 土岐家の重臣へ

第二章 「斎藤」氏へ
 1 天文四〜五年の美濃内乱
 2 乱後の道三の地位

第三章 道三、美濃国主へ
 1 天文十三年の合戦
 2 土岐頼芸の追放
 3 道三の施策

第四章 道三と義龍
 1 道三の妻子
 2 道三と義龍の争いと道三の死

第五章 義龍の領国支配
 1 国内統治
 2 一色改姓
 3 対外政策
 4 別伝の乱

第六章 義龍の死と信長の侵略
 1 義龍の家族とその死
 2 信長の西濃侵入と龍興の対応
 3 竹中半兵衛の稲葉山城占拠

第七章 龍興の没落とその後
 1 信長との一時的な和睦と決裂
 2 稲葉山落城
 3 その後の龍興

第八章 語られる道三・義龍・龍興
 1 道三――梟雄・悪逆・下克上
 2 義龍――天道に背く不孝
 3 龍興――信長・半兵衛の引き立て役
 4 四代の評価

主要参考文献  
あとがき  
斎藤氏四代年譜  
事項索引
人名索引

著者プロフィール
木下 聡 (キノシタ サトシ) (著/文)
2020年2月現在
東京大学大学院人文社会系研究科助教

【著者紹介】
木下聡 : 1976年、岐阜県生まれ。2007年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • サケ太

    “美濃の蝮”としてのイメージが強すぎる斎藤道三。美濃の守護代であった前斎藤氏(妙椿)から始まり、道三の父である長井新左衛門の立身出世。“斎藤”道三の国主への道。息子、義龍との対立。龍興の興亡。姓を、名を変えて多くの戦いの中を生き抜いた斎藤氏四代。蝮という虚像を小説家によって与えられた道三。一色姓や范可を名乗った義龍、その内政の手腕は確かに信長を苦しめた。竹中半兵衛の城取の理由は、物語化されたものと比べると、当時の人物らしくて納得。今のイメージで形成されているものとは違う人物像が提示されていて興味深かった。

  • MUNEKAZ

    長井新左衛門尉・道三・義龍・龍興の四代の評伝。史料の少なさから著者の推測も多いが、イメージ先行の一族を実証的に描こうとしている。梟雄だが陰謀家というよりは剛腕の戦上手な道三、軍事・内政ともに大きな瑕疵はないが早死にしたせいでボロが出なかっただけかも…な義龍、愚将から再評価される龍興(でも有能とは言っていない)と、それぞれに個性的で面白い。また著者の専門から義龍の一色改姓の話題にページを割いているのも印象的。西村→長井→斎藤→一色と代々変わる名字が、その成り上がりを示している。

  • フランソワーズ

    下剋上の代名詞のような道三。地名度の高さから実像とかけ離れた面を、限られた史料の中で修正。そして道三以前の斎藤氏と、滅亡してしまったために評価が低い道三以後の斎藤氏を論述。特に隠れた名将義龍をしっかり評価してくれているのがいい。著者官位官途等の研究をされておられるからでしょうか、その面での論述はとても説得力がありました。

  • 相馬

    新左衛門尉から道三、義龍、龍興までの四代についての、最新の研究を纏めた評伝。一冊に纏まっていて読み易い。横山住雄氏の研究に大きく寄っていて、目新しい部分は多くはないが、一色氏への改名、妻女になどについても更に詳しく述べられていて興味深い。

  • Toska

    「下剋上」の雄・斎藤氏の実相に迫る。とにかく史料が少なく、四代の発給文書が稲葉一鉄一人よりも少ないというのは驚きだ。だからこそ著者の力量が問われるテーマでもあり、特に家格や官位、実名の分析は木下氏にとり自家薬籠中のもので、興味深く読めた。肝はやはり義龍だろうか。父殺しのタブーを犯しながら家中を動揺させなかったばかりか、幕府との交渉に辣腕を振るい、改姓も改名も思いのままという、考えてみればものすごい業績。彼の熱意を考えると、本当は一色氏と呼びたいところなのだが…

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